カラコル / Annabel

81hWrWDtF9L._SL1500_

Release : 2014/10/1 (オリジナル盤は2013/08/12発売)

Genre : Pop

Samples : 旅に出る

Tracklist :

1. caracol

2. pedalnote

3. 旅に出る  ★オススメ

4. little voice

5. lettre

6. Call Me

7. パレルモ

8. helical symmetry

9. トランジエント

10. glimmer

アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ日本育ちのシンガー、そして当ブログの「Kawaii枠」代表でもある(?)Annabelのセルフプロデュースアルバム。

以前彼女の最新作『TALK』の感想を書いた際は、てっきり1st『miniascape』(2012) ⇒ 2nd『TALK』(2014)の流れで作品を発表されているのかと思っていたのですが、どうやら適切ではなかったようです。2013年に「コミックマーケット84」にて、Annabel初のセルフプロデュースフルアルバムとして本作が発売されたとのこと(当時の作品オフィシャルページがまだ残っていました)。これまでイベント会場やアニメ・同人系ショップでしか手に入らなかった本作が、今年10月から全国流通開始されたことを知り入手しました。その内容がまた素晴らしいものだったのでご紹介。

以前『TALK』をご紹介した際に、そのゲストミュージシャンの豪華さに驚いたことを書かせていただきましたが、今作も超豪華ミュージシャンが名を連ねています。具体的には以下の通りです。

田口囁一(感傷ベクトル) / 蓮尾理之(元School Food Punishment) / 深水チエ / bassy / bermei.inazawa 

/ MANYO(arcane) / myu / NORAKURO / Q flavor / rionos

同人界の大物作曲家からベテラン・新進気鋭のミュージシャン達がずらり。これは凄い(どうやって集めたんだ…)。更に驚愕すべきなのが、これだけ多くのミュージシャンが集まりながらも作品として統一性を失っていない、むしろ調和し一貫した作風を持っているという事です。調理する側もされる(?)側も、最も美味な調理方法を理解し共有しているからこそなせる技…ということでしょうか。

1st『miniascape』や2nd『TALK』のようなある意味「重厚な」作風とは異なり、ほんの少し肩の力を抜いて伸び伸びと奏でられる音楽。そよ風が通り抜けていくような爽やかなポップネスが実に心地よい。しかし楽曲に含められたギミックは上述した2作品に負けず劣らず、決して単調になることなく”またあの曲が聴きたい”と思わせるような工夫が随所になされています。

お気に入りは♯3. 旅に出る。アコースティックギターの旋律をバックに、やや気だるそうに歌い上げるAnnabelの歌唱がとても映える一曲。相対性理論のようなサブカルポップな雰囲気も併せ持っています。

ご存知の新作『TALK』ではハイスイノナサ照井 順政や、保刈 久明 等、また若手エレクトロニカ・ミュージシャンLASTorderの新作『Allure』にもpiana等と共にゲストヴォーカルとして参加したりと、この”振り幅の広さ”が彼女の何よりの魅力だし、そして無限の可能性を感じさせてくれる要因だと思います。これからも末永く音楽活動を行って欲しい、そう純粋に応援したくなるような素晴らしい作品でした。