King Nine / Blueneck

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Release : 2014/11/7

Genre : Ambient / Post Rock

Samples : Man Of Lies

Tracklist :

1. Counting Out

2. Sirens

3. King Nine

4. Man of Lies

5. Broken Fingers  ★オススメ

6. Father, Sister

7. Spiderlegs

8. Mutatis

9. Anything Other Than Breathing

UK産アンビエント/ポストロックバンド、Blueneckの5thアルバム。

2000年代初頭に4ピースバンドとして活動を開始したBlueneckは、イングランド西部地方を中心としたライブ活動を展開、その最中に5人目のメンバーであるMichael Maidmentがバンドに加入し、5ピースバンドとなります。

2006年には1stフルアルバム「Scars of the Midwest」を発表、この時点で既にポストクラシカル・アンビエントを取り入れた独自のサウンドスケープを確立しており、その後の2nd「Fallen Host」(2009)、3rd「Repetitions」(2011)にかけてポストロック特有の轟音は身を潜めていき、より深淵かつシネマティックな音像へと深化を重ねて行きました。

2012年に発表された4th「Epilogue」は意図的にヴォーカルを廃したインスト作品でしたが、Duncan AttwoodのヴォーカルがBlueneckというバンドを聴く上で必要不可欠な要素となっていた私にとっては、それまでの作品に比べるとやや物足りなく感じてしまう内容でした。また4thアルバムはそれまでの1st~3rdまでの作品におけるその名の通り「Epilogue」としての位置づけの作品であり、次作以降の作風が気になる点でありました。

そして前作から2年ぶりの発表となった本作「King NIne」を聴いたとき、♯1. Counting Outの余りに優しく、暖かい音像に驚かされました。これまでの作品では時に聴き手を突き放してしまうほどに荒涼としたサウンドスケープを展開していたから…。今作の柔和で優麗なサウンドはとても新鮮であると共に、さらに洗練された美しいメロディーはポジティブな”深化”として受け止めることが出来ました。静と動の区分けの効いた音像は元々の持ち味である美麗なメロディーを更に浮き立たせる結果となり、優しい銀盤の音色・ストリングス、そしてDuncanによるヴォーカルがアルバムジャケットのような、セピア色の幻想世界へと導いてくれます。バンドサウンドも控えめながら決して存在感を失うことなく、奥行きのある音響と共に、時間を忘れさせる強烈なノスタルジアを生み出しています。

本作で最も気に入っているのは♯5. Broken Fingers。憂いを帯びた銀盤の音色とヴォーカルの絡みが、筆舌に尽くしがたい美しさを生み出す優しいバラード。もはや”Post Rock”の枠を悠々と飛び越えてしまった、バンドとして新たなステージに立ったことを認識させてくれる快作です。”美しいロック”を聴きたい方にはマストバイな作品といえるでしょう。