Arcturian / Arcturus

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Release : 2015/5/8

Genre : Black Metal/Progressive Metal

Samples : bandcamp

Tracklist :

1. The Arcturian Sign

2. Crashland  ★オススメ

3. Angst

4. Warp

5. Game Over

6. Demon

7. Pale

8. The Journey

9. Archer

10. Bane

ノルウェーのシンフォニック/プログレッシブブラック・メタルバンド、Arcturusによる再結成後初となる5thフルアルバム。

EmperorやUlverといった著名なブラックメタルバンドのメンバーが集ったスーパーバンドでもあるArcturusは、1996年発表のデビューアルバム「Aspera Hiems Symfonia」の時点から一般的なブラックメタルとは一線を画するサウンドで「宇宙的」「幻想的」「シネマティック」などと形容される、界隈ではある種異形とも言える音像を構築していました。私が彼らの作品で所持しているのは、今回の新作含め1st、3rd、4thの計4枚なのですが、作品を重ねる毎に次第にブラックメタル色が薄れていき、より宇宙的な前衛性を突き詰めたプログレッシブ・メタルへと変貌を遂げていった、そのような印象を持っています。そして2007年、各メンバーがそれぞれメインバンドの活動に専念するため解散を発表したものの、2011年には再結成を果たし、その後は新作の発表が長く待ち望まれていました。

解散前に発表された前作である4th「Sideshow Symphonies」ではブラックメタルからほぼ完全に脱却し、SF的な意匠の強いプログレッシブメタルと言える内容でしたが、今作はどうでしょう。#1. The Arcturian Signの電子的なイントロには意表を突かれますが、その後はArcturus印のシンフォサウンドを駆使したオーロラのように美しいメタルを展開します。これまでには余り聴かれなかったストリングスや、エレクトロサウンドをふんだんに活用した格調高く美しくも実験的なプログレッシブ・メタルといった様相で、また随所でブラックメタル的な暴虐リフをカットインすることでスピード感をコントロールし冗長性を解消しています。後期EmperorやBorknagarといったプログレッシブ・ブラックメタルとも似て非なる、ブラックメタルを活用した新機軸のアヴァンギャルド・プログレッシブメタルサウンドを生み出したのが今作と言えるでしょう。前作と比べても完成度・充実度ともに格段に向上し、極めて聴き応えのある作品に仕上がっています。

またヴォーカルは前作で作詞を担当したBorknagarのICS Vortexが担当し、ほぼ全編クリーンヴォイスで歌い上げています。Borknagarでもそうですが彼の存在感は絶大で、元々オペラチックな扇情性を特徴の一つとして持ち合わせていたArcturusにとって、彼の感情豊かに朗々と歌い上げる歌唱は非常にマッチしていますね。一方、ドラムに関しては音圧の弱さに違和感を感じる場面もありました。本作に唯一けちを付けるとすればその点くらいでしょうか。その他のサウンドクオリティーは文句の付けようが無いほどに高いです。

復活作として期待以上の素晴らしい出来かと思います。もしこれから初めて彼らの作品を聴く方がいらっしゃれば最高傑作と名高い3rd「Sham Mirrors」から入ることをオススメしますが、本作を聴いてからでも違和感無く彼らの創り出す世界観に浸れますので、まずはこのフレッシュなArcturusサウンドを堪能してから過去作を聴いてみるのも良いかもしれません。いずれにせよ、彼らの生み出すサウンドは唯一無二の貴重なものだと思うので、これからも末永く活動を続けていって欲しいですね。

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