The Congregation / Leprous

Leprous_cover2015-1024x1024

Release : 2015/5/25

Genre : Progressive Rock / Metal

Samples : “The Price”

Tracklist :

1. The Price

2. Third Law

3. Rewind

4. The Flood

5. Triumphant

6. Within My Fence

7. Red

8. Slave

9. Moon

10. Down

11. Lower  ★オススメ

12. Pixel

ノルウェーのプログレッシブロック/メタルバンド、Leprousの5thアルバム。IQやRiversideらが所属するInside Out Musicからのリリース。

ブラックメタルバンドEmperor率いる鬼才Ihsahnの後ろ盾の下2001年に結成されたLeprousは、Pink FloydからTool, Marz Volta, Dream Theater, Opeth, Devin Townsendといった古今東西のプログレッシブ/オルタナティブロック・メタル界の先人達から音楽的エッセンスを貪欲に吸収し、作品を重ねるごとに変異・進化し続けるバンドとしてシーンでも特に異質な存在です。そして進取的で前衛的な手法でもって、新しいロックの形を生み出そうとする本来の意味での「プログレッシブ・ロック」を現在進行形で体現できている数少ないバンドであると思っています。

そんな彼らの作品で聴いたことがあるのは2ndアルバム「Tall Poppy Syndrome」以降の作品なのですが、その2ndではOpethライクな幽玄な美メロがゆらめくダークなプログレッシブメタルといった様相で、次作の3rd「Bilateral」は2ndのダークな幽玄美はそのままに、Marz VoltaやIhsahnのソロ作を思わせるアヴァンギャルドなアンサンブルを加えた意欲作。そして4th「Coal」になると更に様変わりし、哲学的で緻密なインテリジェンスと演劇的な大仰さが融合した独自のプログレッシブ・ロック/メタルサウンドにまで昇華。ここで初めてLeprousのオリジナリティーが完全に確立されたような気がします。

そんな彼らの最新作「The Congregation」はポスト「Coal」とも言うべき作品であり、精密に組み上げられたドラマティックなメロディー・アンサンブルに深みと奥行きを持たせ、緻密さと前衛性を更に極めた一品です。加えてドゥームメタルからアンビエントの領域まで可動域の広がった音響を自在に操りながら、その冷厳で美しい音世界へと聴き手をずるずると引きずり込んでいく末恐ろしい内容に。前作は前衛的で芸術的な意匠を外から見惚れてしまうような内容でしたが、今作は美しくもありありと迫ってくる立体的な音響が身体に纏わりつくようで、どこかカルト的な恐怖感すら感じさせます。なお前作同様、ミックス&マスタリングはJens Bogrenが担当し、彼らの生み出す知的で美しいサウンドスケープの魅力を最大限に引き出しています。

細やかなギターの刻みが生み出すミニマルな音響の中、ヴォーカルEinarの絶唱が響き渡る#1に始まり、テクニカルなリズムを刻むアンサンブル・粘っこい歌唱によるヴァースと、情熱的で荘厳なサビメロとの対比が楽曲の美しさを際立たせる#2、シンセを用いたアンビエント的な音作りとトライバルに刻むビート、朗々と歌い上げるヴォーカルがスピリチュアルな美しさを見せる#3、不穏なアンビエント/ギターノイズと冷ややかなシンセをバックに、透明感のある伸びやかな歌唱が反響する#4、複雑なリズムを刻むギターとそれにシンクロするビート、熱を帯びた歌唱がパッショナブルな#5、リズミカルに刻むギターリフと機械的なドラミングが不思議なポップ感覚を生み出す#6、エレクトロニクスを大胆に導入し、不穏で前衛的なヘヴィーロックを展開する#7、2ndアルバムの時代を思わせる、ダークで透明感に溢れるバラードナンバー#8、シンセとバンドアンサンブルが生み出す高揚的なバーストサウンドの奔流が心地良い#9、Einarの願うような切々とした絶唱が印象的なミドルチューン#10、福音のような神秘的なエレクトロニクスが異彩を放つ、ポストロック的なリフワークも印象的な本作で最も”光”を感じるナンバー#11、叙情的で伸びやかな美メロが映えるボーナストラック#12と、前衛性と聴き易さを突き詰めたプログレナンバーがひしめく流石の内容。

その複雑で前衛的な内容から、本作の全容を完全に理解するのはとても時間がかかるのではないかと思います。かく言う私も本作の本質を捉えられたとは到底思っておりませんが、それだけ楽しみ甲斐のあるハイクオリティーな作品であるという事だけは断言できます。プログレッシブ・ロック好きのみならず、先進的なロック作品を望む方は是非本作を手に取ってみてくださいね。

コメント

  1. GAOHEWGII より:

    あっきー様 こんにちは

    「the price」の映像ですが
    イントロのドリームシアターっぽいヘヴィ・リフと
    フォーメーションを組んでのヘッドバンギング振りが素晴らしい。

    トライバルなビートという表現はまさにその通りですね。
    キビキビした演奏ながら無機質になっていないのはそのあたりがポイントでしょうか。
    プログレメタルというジャンルとは裏腹に
    シンプルで分かりやすかったです。

    サビでの透かし振り

    • あっきー@yugenmelodies より:

      >GAOHEWGIIさん

      コメントありがとうございます。

      複雑に構築されたアンサンブルでも聴きやすさを感じるのは、そういったリズムやメロディーの部分で多彩な工夫が施されているからでしょうね。
      実験的でありながらキャッチーであることを両立した画期的な作品だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*