Without My Enemy What Would I Do / Made In Heights

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Release : 2015/5/26

Genre : Alternative / Electro Pop

Samples : bandcamp

Tracklist :

1. DEATH

2. Pirouette

3. Murakami

4. Mantis

5. Panther

6. Ghosts  ★オススメ

7. Lunette

8. Silver Droplets

9. Cry

10. Slow Burn

11. Forgiveness

12. Pop It In 2

13. Drexler

アメリカはロサンゼルスのエレクトロポップ・デュオ、Made In Heightsの2ndフルアルバム。

彼らはシアトルのヒップホップ・アクトBlue ScholarsやDas Racistのプロデュース業などで名を馳せたSabziと女性ヴォーカリストKelsey Bulkinによるユニットで、2010年の結成から今までに1作のEPと2作のLPをリリースしています。

1stフルアルバム「Made In Heights」はBulkinのコケティッシュなウィスパーヴォイスに焦点が当たったダウンテンポなトリップホップといった内容で、高品質ながらこれといった目新しさは無かった気がするのですが、今作ではミニマルなデジタルビートを多く配したヒップホップ色の強い作風となっており、遊び心を感じられる試みが多数見受けられる個性的なナンバーが占めています。そしてBulkinによる優美な歌唱は本作の作風にも同調し、瑞々しくアブストラクトなサウンドスケープから浮き出るように強調されています。これによって前作で感じた線の細さを解消する事に成功しています。

更に楽曲クオリティーの高さは折り紙つきで、前作とは比較にならないほど強く印象に残る素晴らしい内容に仕上がっています。美しく厳かなサウンドテクスチャと小気味良いビートに乗って、リズミカルに歌い上げるBulkinの儚げな歌声がカウンターパートとして相乗的な美しさを生み出す#1、ふわふわとしたシンセをバックにたゆたうヴォーカルが美しい#2、大仰でおどろおどろしい音像と日本語による語り口のカットインが印象的な#3、ダークな音像と共にどこかオリエンタルな趣を感じさせる#4、銀盤の音色をバックにノスタルジックなBulkinの歌唱が映える#5、ミニマルでリズミカルなビートと跳ねるようにポップな歌唱がキャッチーな中盤のハイライトナンバー#6、ゆったりとしたシンセの音色がアダルト・コンテンポラリーな雰囲気を生み出す#7、曲名通り”銀色の水滴”がしたたるようなキラキラとしたサウンドが神秘的な#8、水中にいるような透明な音像と憂いを含んだ儚げな歌唱が印象的な#9、淡々とループするシンセサウンドに溶け込むような歌唱がハウスミュージック然とした音像の#10、サビメロ以降のレトロなシンセサウンドが生み出す独特のポップ感覚が心地良い#11、はにかむようなBulkinの歌唱が可愛いポップナンバー#12、荘厳なサウンドスケープでラストを締めくくるダーク&シリアスなナンバー#13と、それぞれの楽曲が個性的な特徴を持っていて、尚且つどれも美しく耳に優しい珠玉のアルバムです。

またアルバム全体を通して聴いてみて、日本人の琴線にも響きそうなメロディーも沢山あると感じました。エレクトロ・ポップがお好きな方は勿論、女性のウィスパーヴォーカルに癒されたい方にも強くオススメ出来る力作です。