Starfire / Jaga Jazzist

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Release : 2015/5/27

Genre : Experimental Jazz

Samples : “Starfire”

Tracklist :

1. Starfire

2. Big City Music

3. Shinkansen

4. Oban  ★オススメ

5. Prungen

6. Oban (Todd Terje Remix)

オスローで94年に結成されたエクスペリメンタル・ジャズ集団、Jaga Jazzistの6年ぶりの最新作。ロンドンのレコードレーベルNinja Tuneからのリリース。

メンバー8名のそれぞれが卓越したマルチミュージシャンとしての才能を持ち、エレクトロニカ~ドラムンベース、ジャズ、ファンク、プログレ、ポストロックといった多彩な要素を組み込んだ新しい音楽性を常に開拓し続けてきた彼ら。本作はバンドの中心人物でソングライターでもあるラーシュ・ホーントヴェットがロサンゼルスを訪れた際、そこでのライフスタイルや情景等にインスピレーションを受けた内容が反映された作品となっています。スタジオもラーシュがLAに所有するものを利用し、レコーディング作業は主にそこで行われたそうです。

ふんだんに散りばめられたエレクトロニクス、ダンサブルなドラミングによって刻まれるビート、アダルトな色気を感じる粋なフレーズの数々からは、LAというメトロポリスの夜を駆け巡るようなダイナミズムと熱情がひしひしと伝わってくるよう。更に「オリジナルとリミックスが曲中に同居するようなものを作ろうとした」というラーシュの言葉通り、曲中で繰り返されるフレーズでも随所で全く異なったアレンジで用いることで、次々に色が変化する電飾のようにカラフルで、バラエティに富んだ印象を与える内容となっています。

煌びやかなエレクトロニクスがロックのダイナミズムと共に駆け抜けるキャッチーなオープニングチューン#1に始まり、電子音とジャズアンサンブルによる音像がドーム上に広がり、終盤はビッグ・バンド的なダイナミズムをもって聴き手を飲み込む14分弱の大作#2、アコースティックギターをバックにホーンやサックスの音色が大きく包み込む前半から一転、エレクトロニックな重低音が目立つ前半パートのアレンジミュージックへと移行する#3、オリエンタルな味わいを残しながらループするシンセサウンドをベースに大波を生み出していく#4、不穏で妖しげなノイズを交えた複雑なアンサンブルが乱舞する#5、そしてノルウェーのDJ、ソングライターTodd Terjeによる#4のスペーシーなリミックスバージョン(国内盤ボーナストラック)と、6曲58分というランタイムの中に濃密な音世界が構築されています。

ジャンル横断的な音楽性と1曲ごとの濃密さから、全容を隅々まで堪能するにはかなりの時間を要するのではないかと思います。音楽性に関しては過去作と比べてとりたてて目新しい部分があるわけではないのですが、先述したように「曲中におけるオリジナルとリミックスの同居」が本作の肝なのは確か。このジャンルミュージックがお好きな方に、というような紹介の仕方がしにくいグループですが、敢えて挙げるらジャジーなダンスミュージックあるいはエレクトロニカを愛好されている方に特にオススメしたい作品です。