Monotony Fields / Shape Of Despair

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Release : 2015/6/16

Genre : Gothic Metal / Funeral Doom

Samples : bandcamp

Tracklist :

1. Reaching the Innermost

2. Monotony Fields

3. Descending Inner Night  ★オススメ

4. The Distant Dream of Life

5. Withdrawn

6. In Longing

7. The Blank Journey

8. Written in My Scars

フィンランドのゴシック/フューネラルドゥームメタルバンド、Shape Of Despairの最新作。フルアルバムとしては実に11年振りのリリース。

元々は「Raven」というバンド名で1995年から活動していた彼等ですが1998年にはShape Of Despairとしての活動を開始、新たなバンド名に名前負けしない美と絶望に塗りたくられた音楽性で話題を呼びました。また現在は脱退してしまいましたが元AmorphisのPasi Koskinen(当バンドの女性ヴォーカルNatalie Koskinenの夫でもある)がメンバーであったことでも有名なバンドです。

私が音源として所有しているのは2nd「Angels Of Distress」以降の作品ですが、長いブランクを空けての本作においてもその音楽性は大きく変わる事無く、地下墓地で演奏しているかのような途方も無く暗鬱で重厚なアンサンブルと獣のような迫力満点のグロウル、そしてピアノやシンセ・女性ヴォーカルを用いたメランコリックなアレンジによる、徹底して美醜を際立たせたゴシック/フューネラルドゥームメタルを披露しています。また、これまでの作品ではゴシックドゥーム寄りの楽曲とフューネラルドゥーム寄りの楽曲が混在するような構成になっていた気がするのですが、本作では全体的にゴシックドゥーム寄りのメロウな楽曲が多数を占めており、Draconian等のフィメールVo.入りゴシックドゥームメタルの作品群と同じ土俵に立っていても遜色ない内容です。女性ヴォーカルのNatalie Koskinenもほぼ全曲でそのエンジェリック・ヴォイスを披露し、各々の楽曲を美しくメランコリックに彩っています。

壮麗なシンセとピアノによるイントロから、暗鬱なバンドアンサンブルを交えてゆっくりと下降していくサウンドスケープが耳に心地良い#1、新ヴォーカルHenri Koivulaの這いずるようなグロウルと冷ややかなシンセサウンド、そしてNatalieのコーラスが交わり北欧の美しくも荒涼とした情景を想起させる#2、冷気のようなシンセを纏いながら、極上の叙情メロディーを奏でるアンサンブルと男女2名のエモーショナルな歌唱から多幸感すら感じる本作のハイライトナンバー#3、前曲の流れを受けた叙情的な泣きメロの嵐が慟哭を誘う#4、耽美で重厚なアンサンブルが絶望の泥沼へと甘美に・緩やかに引きずり込んでいく#5、Natalieによる嘆きと祈りが入り混じった美しいコーラスワークと、アトモスフェリックな浮遊感のあるアンサンブルがトリップ感を加速させる#6、吹雪のようなシンセと悲哀感たっぷりのピアノによるイントロから、重く絶望的なアンサンブルへと突入する終末感に溢れたゴシックドゥームナンバー#7、聴いているだけで天に誘われそうな福音の如きピアノの旋律と地獄の底から這い出るようなバンドアンサンブルが入り混じる、美しくも滅び行く世界を見事に表現したラストナンバー#8と、全8曲72分の大ボリュームの中に彼らにしか創り得ない滅びの美学がこれでもかと詰め込まれております。

聴いていて魂が解放されるかのようなアトモスフェリックなアレンジがこれまで以上に施されており、まるでレクイエムのような神聖な趣すら感じられます。またこの手の作品では珍しく楽曲毎にそれぞれ明確な個性があり、彼等の作品群の中では最も聴き易く完成度の高い作品だと思います。現在のDraconianが失いかけているものを復刻したかのような、古き良きゴシックドゥームメタルの面影をたっぷりと堪能できる傑作です。