Six / Tengil

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Release : 2015/7/1

Genre : Post Hardcore / Post Rock

Samples : bandcamp

Tracklist :

1. Fermeture

2. A Box

3. My Gift To You // The Tunnel At The End Of The Light  ★オススメ

4. Praise Be

5. Gehenna

6. All Paths // Qwoulrflpvoynvlrgkrt

自らの音楽性を「Quasi-symphonic post-hardcore」(準・交響的ポストハードコア)と称するスウェーデンの若手バンド、Tengilの1stフルアルバム。Tokyo Jupiter Recordsからのリリースで、ミキシングにはCult of LunaのMagnus Lindbergが携わっています。

顔中から血を流しながら笑うモノクロのジャケットアートが非常に不気味ですが、気圧されることなかれ。その内容は悲壮的に美しいメロディーと劇的なエモーションに満ちたポストハードコアであり、本作を聴き終えた頃にはきっと、その哀愁深いサウンドスケープに胸を打たれ、感動に打ちひしがれていることでしょう。

彼らの音楽性は単なるポストロック/ポストハードコアだけでなく、ミュージカルや交響曲からも影響を受けているそうな。たった4名のミュージシャンによる演奏であるにも関わらず、各々の音色が互いに共鳴し合う事によって生まれた決然と響くサウンドスケープからは、クラシカルな格調高さすら感じてしまうほどの圧倒的なスケール感と整合性、そしてミュージカル的な表情の豊かさを持ち合わせています。また、本作は6つ(曲)に分かれた物語によって構成されたコンセプトアルバムであり、アルバムを通して彼らの一貫した美的感性を堪能出来ることもポイントです。

美しき轟音が揺らめくイントロ#1から流れるように、苛烈で重厚なバンドアンサンブルによって美メロと共に激情を撒き散らし駆け抜ける#2、熾烈なドラミングと悲壮感に溢れる美しいギターフレーズをバックに、哀の感情を爆発させるヴォーカルワークが印象的な#3、これまでの流れから一転してヴォーカル中心に清廉なメロディーが紡がれながら、徐々に感情を爆発させるように展開していく#4、近年Anathemaのように哀愁深く伸びやかに歌い上げるヴォーカル/コーラスワークと、天上から降り注ぐ光のようなギターリフレインが多幸感を喚起するミドルチューン#5、暗闇の中で光を紡ぐようにかき鳴らされるバーストサウンドが神秘的でドラマチックなクライマックスチューン#6と、あらゆる点で新人離れした才能を感じさせる力作に仕上がっています。

Leprous等にも通ずる演劇的な大仰さを高度に演出しながら、綿密且つ爆発的なバンドアンサンブルによる強いメッセージ性とスウェーデンのバンドらしい荒涼とした退廃美が組み合わさった極めてアーティスティックな作品。今後のシーンに新風を巻き起こしていく事が期待される、新進気鋭のバンドであることを世界に示した意欲作です。