VII: Sturm Und Drang / Lamb Of God

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Release : 2015/7/24

Genre : Groove Metal / Metalcore

Samples : “512”

Tracklist :

1. Still Echoes

2. Erase This

3. 512

4. Embers  ★オススメ

5. Footprints

6. Overlord

7. Anthropoid

8. Engage The Fear Machine

9. Delusion Pandemic

10. Torches

本国アメリカに留まらず世界規模でカリスマ的な人気を誇るメタルバンド、Lamb of Godの最新作。

全盛期Panteraを彷彿とさせる切れ味鋭いギターリフにグルーヴィーで力強いドラミングを基調とした、重戦車のようなバンドアンサンブルでグルーヴメタルの帝王に君臨し続ける彼らですが、前作「Resolution」リリース後にヴォーカルのランディが殺人容疑(2010年のライブでステージ上に登って来たファンを押し返した際に傷を負わせ、それが元でそのファンは死亡した疑い)で逮捕され、拘留されるという大トラブルが発生。その後の裁判で無罪が確定したものの、それまでランディは約2ヶ月間の拘留生活を余儀なくされました。本作にはその際の心境に関する楽曲が収録されており、これまで以上に暗鬱な凶暴性に満ちた作風となっています。

また今回はゲストヴォーカルとしてDeftonesChino Moreno(#4. Embers)と、The Dillinger Escape PlanGreg Puciato(#10. Torches)が参加しています。特にChino Morenoはその声質から彼らのスタイルに合うのか不安でしたが、ダークな楽曲を彩るアクセントとして良い仕事をしているように思います。

楽曲に関してはいつもの”Lamb of God印”としか言いようの無い手堅い内容で、ファストチューンからミドルチューンまで安定して高いクオリティーを誇ります。個人的にはChino Morenoの参加した#4が特に新鮮に映りましたね。しかしミドルチューンに関しては前作、ファストチューンに関しては初期作を初め過去の代表曲に及ぶものは無いため、本作に対して余りに高いハードルを設けてしまっていると中途半端な作品に感じられるかもしれません。加えて致命的に感じられたのがサウンドプロダクションで、せっかくの切れ味鋭い演奏もどこかこもった質感の中に紛れてしまっているのです。その原因については憶測に過ぎませんが、今作から新たにマスタリングを任された人物(Brad Blackwood)にあるのでは?と考えています。

何だかネガティブな点ばかりあげつらってしまったような気がしますが、本作の出来自体が悪いものであるなんて事は決して無く、むしろ既存ファンの多くが諸手を挙げて歓迎するであろう極めてレベルの高い作品であることは確かです。またビルボードチャートでも3位にランクインするなど、セールス面でも非常に好調な様子。現代を代表するメタルバンドであることをまたもや磐石なものとする、安定の力作と言えるでしょう。