Love, Fear And The Time Machine / Riverside

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Release : 2015/9/4

Genre : Progressive Rock

Samples : “Discard Your Fear”

Tracklist :

1. Lost (Why Should I Be Frightened By A Hat?)

2. Under The Pillow

3. #Addicted

4. Caterpillar And The Barbed Wire  ★オススメ

5. Saturate Me

6. Afloat

7. Discard Your Fear

8. Towards The Blue Horizon

9. Time Travellers

10. Found (The Unexpected Flaw Of Searching)

~Disc 2 (Bonus Disc)~

1. Heavenland

2. Return

3. Aether

4. Machines

5. Promise

ポーランドのプログレッシブロック/メタルバンド、Riversideの最新作。

個人的にはAnathemaに次いでお気に入りなこのバンド、Marillionを彷彿とさせるメロウでキャッチーなメロディーを基軸にPink Floydの浮遊感、70年代ハードロック及びヘヴィーメタルのダイナミズムを加え、更にポーランド産らしい陰鬱さと美しさが同居した感性で構築された深みのあるサウンドスケープを特徴としています。また社会風刺を含めた内省的な歌詞にも定評があり、現代プログレッシブ・ロック/メタルシーンで長く頭角を現しているバンドの一つです。

本作の美しいアルバムジャケット・アートワークはトラヴィス・スミス氏によるもの。その朧げな水平線の景色のように、アトモスフェリックな音像と美しいメロディーが過去最高に際立った作品となっています。社会風刺を多分に含んだ前作「Shrine of New Generation Slaves」のシリアスでヴィンテージな音像を受け継ぎつつも、初期作やEPで見せてきた浮遊感のあるメロウな音楽性、そしてフロントマンであるマリウスによるソロプロジェクトLunatic Soulで突き詰めてきたミニマルミュージックの要素をも盛り込みながら、極めて均整のとれた彼らだけのモダン・プログレッシブロックへと昇華している点が実に素晴らしいです。

シンセと清廉なギターリフによるミニマルなイントロから、ヴィンテージロック風の渋みのあるアンサンブルへとなだれ込む#1、メロディアスなギターフレーズと独特のリズムに乗ったヴォーカルワークが心地良い#2、楽曲をぐいぐい引っ張るベースラインに乗った軽快なアンサンブルが風のように駆け抜けていく#3、渋いベースラインに沿ったメロウなヴォーカル/コーラスワーク、そして終盤に聴かれるポーランド産TVゲーム“The Wicher 3″のメインテーマをオマージュしたかのような雄大なギターフレーズが印象的な#4(Riversideは本ゲームシリーズの前作にあたるThe Wicher 2にプロモ用楽曲として「Forgotten Land」を提供しており、もしかしたら逆輸入的にインスパイアされたのかもしれないですね。)、重厚に刻むギターリフとシンセのユニゾンによるイントロから、アトモスフェリックな音響をバックにプログレッシブに展開していく#5、アコースティックなギターの爪弾きと抑揚を抑えたヴォーカル&コーラスが幽玄に木霊する#6、透明感を含んだギターリフとシンセサウンドに浮かび上がるようなマリウスの歌メロが胸を打つ#7、残響を生み出しながらプログレッシブに展開していくアンサンブルに浮遊感を含んだヴォーカルワークが折り重なる幻想的なナンバー#8、アコースティックギターをバックに叙情的に歌い上げるマリウスの歌声、そして終盤のメロウなギターフレーズが涙を誘うほど美しい#9、そしてPorcupine Treeの傑作「In Absentia」の楽曲を思わせる清らかなギターリフレインと甘美な歌唱が心地よいバラードナンバー#10で幕を閉じます。

尚、限定版にはボーナスディスクが付属しており新たに5曲が収録されていますが、そちらも無視できないクオリティーです。楽曲毎の詳細な内容については割愛させていただきますが、Lunatic Soul直系のアンビエントサウンドが支配するアブストラクトな音楽性で、本盤を聴いた後の心地良い余韻を演出してくれます。本作を購入される際は是非、限定盤を入手される事をオススメします。

過去の作品群と比べるとメタル色は薄れるものの、プログレッシブ・ロックとしての完成度は更に洗練されており、過去最高に深みのある幽玄な音像も相まって極めて聴き応えのある作品となりました。個人的には1stや3rdと並んで彼らの最高傑作に位置付けても良い名作だと思います。美しさを極めたメロディーには聴き手を選ばないスタンダードな良さがありますし、Porcupine Tree等のダークなモダン・プログレッシブロックがお好きな方には間違いなく気に入っていただけるであろう作品です。