Under The Red Cloud / Amorphis

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Release : 2015/9/4

Genre : Melodic Metal / Melodic Death Metal

Samples : “Sacrifice”

Tracklist :

1. Under The Red Cloud

2. The Four Wise Ones

3. Bad Blood

4. The Skull

5. Death Of A King

6. Sacrifice

7. Dark Path

8. Enemy At The Gates

9. Tree Of Ages

10. White Night

11. Come The Spring  ★オススメ

12. The Wind

母国フィンランドで国民的人気を誇るメランコリック・メタルバンド、Amorphisの最新作。

フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』からインスパイアされた神秘性と土着性の強く結びついた歌詞・メロディーを受け売りとしてきたバンドですが、前作「Circle」ではフィンランドの芸術家ペッカ・カイヌライネンによって生み出されたオリジナル・ストーリーが新たなインスパイア元となり、「Silent Waters」~「The Beginning Of Times」で培ってきたメランコリックなメロディーをよりヘヴィーでダイナミックなギターフレーズの奔流で轟々と響かせ、初期~中期のデスメタル要素も積極的に採用した新機軸のサウンドでファンを驚かせた怪作であり傑作でした。本作「Under The Red Cloud」も引き続きペッカによる物語をインスパイア元とした作品で、渦巻く蛇と陰陽を表すシンボルが妖しげな印象を与えるジャケットアートワークのように、更にトラディショナルなメロディーが織り込まれ土着性・呪術性を強く感じさせる内容となっています。前作はあくまでも「Silent Waters」~「The Beginning Of Times」をメロディーの下地とした作品でしたが、本作は「Tales From the Thousand Lakes」や「Eclipse」といった作品群を想起させる土着的なメロディーが多く盛り込まれ、過去最高にプログレッシブなアンサンブルで綿密且つ芸術的な物語性を演出しています。本作をもってAmorphisが完全に新たなステージに立った事を強く印象付ける作品です。

プロデューサーには待望というべきイェンス・ボグレンを起用。彼の仕事ぶりを知る人間ならば分かる通り、彼とAmorphisというバンドの相性が悪い訳がありません。彼が仕上げるクリアで奥行きのある、オーガニックな音像はトラディショナルな神秘性を持ち味とするAmorphisのサウンドスケープの美しさに大きな拍車をかけています。

Amorphis印のメランコリック・メロディーと甘美なクリーンヴォーカルが映えるドラマティックなナンバー#1、フルートとギターによるアラビアンなフレーズが印象的な#5、重厚でダークなギターリフと妖しげなメロディーを奏でるシンセ、そして凶暴極まりないグロウルによって本作の呪術的な趣をより一層強める#8、メランコリックな銀盤が彩りを加えつつ力強いアンサンブルが疾駆する#11等が本作のハイライト。決定的なキラーチューンこそ無いものの非常に安定したクオリティーを誇ります。

自身の過去~現在を総括した上で、これからの方向性を強烈なクオリティーを持って示唆する力作です。全体的にややダークな作風が好みの分かれる部分かもしれませんが、彼らのファンであれば買って損は無い作品であることは確かです。