Polaris / TesseracT

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Release : 2015/9/18

Genre : Progressive Metal / Djent

Samples : album stream

Tracklist :

1. Dystopia

2. Hexes

3. Survival

4. Tourniquet

5. Utopia

6. Phoenix

7. Messenger

8. Cages

9. Seven Names  ★オススメ

UK産次世代プログレッシブ・メタルバンド、TesseracTの最新作。

2年前にリリースされた前作「Altered State」は、米ビルボードのナショナルチャートで94位、またハードロック部門では4位を記録するなど、それまでのメシュガー・ペリフェリーに次ぐ”Djent”界隈の急先鋒としてだけでなく、ヘヴィーメタルシーンにおける最重要バンドの一つとして、世界中に存在感を示すことに成功した名作でした。

そんな前作に続くアルバム制作にあたり、前作でヴォーカルを務めていたアッシュ・オハラが「クリエイティブな位置の相違」を理由に脱退したことを受け、かつてのヴォーカリストであるダニエル・トンプキンスを再召集。彼は同じくDjent界隈で注目を浴びている多国籍プログレッシブ・メタルバンドSkyharborでもマイクをとっていましたが、流石にスケジュールの都合がつかなかったのかSkyharborの方はメンバーから脱退しています。作曲はバンドの創設者アクル・カーニー(Guiter)が全曲担当し、レコーディングはアクルが自営するスタジオで行うなど、ドメスティックな環境での制作を敢行。また、ミキシングには同じKscopeレーベルに所属するプログレッシブ・ロックバンド、ザ・パイナップルシーフのフロントマンであるブルース・ソードが担当しています。本作以外でもミキサー等として名前を見ることの多いこの方、何かと多忙なようです。

本作「Polaris」は前作程の分かり易いキャッチーさは無いものの、Kscopeレーベルに移籍した影響か多彩なアンサンブルで”次世代バンド”として相応しいプログレッシブな展開の妙を生み出し、非常に聴き応えのある内容となっています。ベースの効いた複雑怪奇なアンサンブルに、Pain of Salvationを想起させるまくし立てるようなヴォーカルが乗る一方で、英国叙情的な美メロが木霊するサビが印象的な#1や、シンセの入り混じるアブストラクトな音像の中をたゆたう、愁いを帯びたコーラスワークが筆舌に尽くしがたいほど美しい#2、ポストロック顔負けの美しい轟音の奔流が心地良いシンプルなナンバー#3、アンビエントライクな浮遊感のある音像に乗る哀愁深い歌唱が聴き手の脳を蕩けさせる#4、ベースを中心としたミニマルなアンサンブルによる落ち着いたトーンで、幽玄な深層世界を演出する#5、アグレッシブなサウンドから翻るように変化する美麗でアトモスフェリックな音像に悶絶必至の#6、切れのあるギター&ベースリフのユニゾンに、伸びやかに歌い上げるヴォーカルを見事に合わせてみせるセンスフルなナンバー#7、冷ややかなアンビエントシンセに清廉なアルペジオギターが乗る幻想的なイントロから、金属的なDjentリフと憂いを帯びたヴォーカル&コーラスワークにフォーカスした展開に移行する#8、幽玄かつ清廉、奥深い美を湛えたサウンドスケープの中をエモーショナルなヴォーカルワークを中心に進行していくクライマックスナンバー#9と、過去最高にプログレッシブな感性で構築された、バラエティー豊かな作風です。

単純なキャッチーさで言えば僅かに前作の方に軍配が上がるかもしれませんが、本作はバンドのプログレッシブな方面への深化という点では非常に進展が見られる内容で、噛み締めるように聴けば聴くほどに味が出るようなアルバムとなっています。これまでのファンであれば勿論、彼らを初めて体験する方であってもまず買って損は無い素晴らしい充実作です。

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