Litourgiya / BATUSHKA

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Release : 2015/12/4

Genre : Melodic Black Metal / Doom Metal

Samples : bandcamp

Tracklist :

1. Yekteniya 1

2. Yekteniya 2  ★オススメ

3. Yekteniya 3

4. Yekteniya 4

5. Yekteniya 5

6. Yekteniya 6

7. Yekteniya 7

8. Yekteniya 8

謎に満ちたブラックメタルバンド、BATUSHKAのデビューアルバム。ポーランドのレコードレーベルWitching Hour Productionsからのリリース。

現状、ポーランドのレーベルに属している事以外の一切が不明、そのポーランドのメディアですら正体を掴みかねているようですから、彼らの本性が知られるのはもう少し時間が経ってからになるのでしょう。どうやらロシア産説とポーランド産説の二つが混在しているようですが、この作品の素晴らしさの前で今は些細な事です。ただ、ロシア語で「父」を意味する作品名やロシア語らしき言語・宗教画のような絵画の描かれたジャケットアートからは、少なくともロシア語圏内の宗教的テーマを扱った作品なのではないかと想像する事は出来ますが…。

さて、本作の内容に関しては、ブラックメタル・デスメタル・ドゥームメタルの各要素を極めてブルータルなアンサンブルで纏め上げたハイブリッドな作風となっています。中でもブラックメタルの比重が最も重く、メロディックブラック・ファストブラック・プリミティブ(トゥルー)ブラックのいずれも想起させるような混合的な音像。また音質もブラックメタルよりはデスメタル寄りの作りになっていて、この手の作風にしてはかなり良好です。邪悪極まりないサウンドが臨場感を持って差し迫る様は圧巻の一言。呪詛のようでどこか威厳も感じるクリーンヴォイスや強烈なアングラ感漂うギターワークからは、MayhemやDeathspell Omegaといった面々を思い出させてくれます。こと邪悪さに関しては彼らに及びませんが、時にアトモスフェリック/メロディックな旋律を奏でるギターリフや嵐のようなドラミングを中心とした緩急を活かしたアンサンブルで、聴き手の意識を引き込み一気に聴かせるだけのアート性やキャッチーさを持ち合わせている点が彼らの持ち味となっています。

そんな本作でのお気に入りは、暴風のようなギター/ドラムワークが邪悪なメロディーを纏って襲い掛かる#2. Yekteniya 2、メロディアスなトレモロリフをバックにハードコア顔負けの瞬間風速を叩き出す#3. Yekteniya 3、マシンガンの如き咆哮を上げるドラミングが引っ張る重量感のある演奏と、巧みなヴォーカルワークによって地鳴りを起こす#5. Yekteniya 5、ドス黒いバンドサウンドに幽玄なコーラスワークが重なりシャーマニックな音像を形作る#6. Yekteniya 6、不穏極まりないギターワークが生み出す瘴気と緩急を駆使した展開で脳内がシェイクされるクライマックスチューン#8. Yekteniya 8等で、バラエティーに富んだ内容に仕上がっています。

多くのエクストリームメタルファンにアピール出来そうなアングラ感・アート性と聴きやすさを両立した傑作です。こういった作品がぽんと登場するものですから、毎年この時期は侮れないですね。