2015年 ”年間ベストアルバム”

選定ルール :

1. 2015年1月1日~12月31日までにリリースされた作品であること。

2. 当ブログにレビューを掲載した作品であること。

以上の条件を基に、独断と偏見で2015年のベストアルバムを30枚選びました。

今年の総括として、一個人の目線によるランキングですが参考にして頂けると幸いです。

※【順位】作品名 / アーティスト名 で記載しています。

※ジャケットアートが表示されない場合は、一度ページを更新してみてください。

2015年 年間ベストアルバム

【No.1】Swift / Bill Laurance
アートワークコメント
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Snarky Puppyのメンバーであり、クリス・ポッターとの共演の経験も持つジャズピアニスト兼コンポーザーの2ndソロ。大規模なクラシック隊を初めとする数多の才能達との共演によって生まれた、天にも昇る心地良さと沈み込むような深みを湛えた芸術的なクロスオーバー・ジャズ。ストリングスによって気品高く彩られながらも、流麗なピアノに主導されるそのサウンドは聴き手にそっと寄り添うような優しさに溢れています。
【No.2】Love, Fear And The Time Machine / Riverside
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ポーランドのプログレッシブロックバンドの最新作。作品を重ねる毎に70年代ハードロック及びヘヴィーメタルへの情景を感じさせてきた彼らですが、ここに来て自らの根源とするメロディーをかつて無いほどに濃縮した、純粋無垢なモダン・プログレッシブロックを披露してくれました。Riversideにしか作り得ない内省的で美しいメロディーを過去最高級のクオリティーで浮き上がらせた傑作。
【No.3】Monotony Fields / Shape Of Despair
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フィンランドのゴシック/フューネラルドゥームメタルバンドの11年ぶり(!)となる最新作は、これまでの絶望一色の作風ではなく救済の光が淡く輝く天上の一枚。超重力的なアンサンブルとオーロラのようなシンセ/男女コーラスワークが究極の対比として共鳴しながら、筆舌に尽くしがたい美のサウンドスケープを描きます。
【No.4】The Insolent / ANTIGAMA
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ポーランド産グラインドコア・バンドの7thアルバム。嵐のように激しく且つ精密なリズムセクションによって支えられたインテレクチュアル・グラインドコア作品。破壊的なグルーヴとモダンな構築美を纏ったメロディーの相乗効果によって、ジャンルの垣根を越えてエクストリーム・ミュージックファンの心を掴む普遍的な傑作を生み出しました。
【No.5】ALEXANDRITE / Chouchou
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インターネット上の仮想世界(メタバース)「セカンドライフ」で結成された、juliet Heberleとarabesque Chocheの2名による日本のエレクトロ・ポップユニットの最新作。AnoiceやPiana、Matryoshka等にも通ずる内省的で美しいエレクトロニック・サウンドが流れ星のように煌く、神秘的でスピリチュアリスティックな力作。邦楽を日常的に聴く機会は余り無いのですが、本作はかなりヘヴィーローテーションしました。
【No.6】Sovran / Draconian
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長年バンドを支えてきた紅一点ヴォーカリストLisa Johansson脱退というショッキングな出来事を乗り越え、4年ぶりにリリースされた本作は彼らの復活の狼煙。新ヴォーカルHeike Langhansを加えた新ラインナップによって生み出される音像は、持ち味である鬱屈感と美の融合したヘヴィサウンドにアトモスフェリックなスケール感を加えた新機軸。従来の強みを保ちつつ新たなステージに歩を進めた画期的な作品です。
【No.7】Brainwashed / While She Sleeps
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UK産5人組メタルコアバンドの2ndアルバム。2012年にリリースされたデビュー作「This Is The Six」も新人離れした素晴らしい完成度でしたが、3年振りのリリースとなった本作はいよいよもって化け物じみたクオリティーでした。Lamb of Godにも比肩し得る強烈なグルーヴ、ライブ栄えしそうな扇情性のあるメロディー、そして緩急を交えた巧みなアンサンブルによって聴き手の心をぐっと掴む説得力の高いエクストリームサウンドを生み出しています。
【No.8】Second Psychedelic Coming: The Aquarius Tapes / Jess and the Ancient Ones
アートワークコメント
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フィンランド産プログレッシブ・オカルトハードロックバンドの2ndアルバム。生み出される全てのアンサンブルが前作とは比較にならないクオリティーで、アンダーグラウンドの妖しげな空気感を残しつつキャッチーな方面に振り切った思い切りの良い作風。年末を前に突如として現れた、今年最後のモンスター・アルバム。
【No.9】Act Iv: Rebirth in Reprise / The Dear Hunter
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アメリカ、ロードアイランド州出身のプログレッシブ・ロックバンドによる最新作。大仰なオーケストレーションを含めたドラマティックな楽曲展開、銀盤やゴージャスなコーラスを交えた流麗なアンサンブルから生み出される至福のメロディーで綴られた音のタペストリーは、まさに一本の映画を見ているかのようなスペクタクル・ロック。今年のプログレッシブ・ロックシーンでも特に注目に値する傑作です。
【No.10】Hand. Cannot. Erase. / Steven Wilson
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”ポスト・プログレッシブ”を標榜するレーベルKscopeの旗手Steven Wilsonによる最新作は、まるで後進達に対して『ポスト・プログレッシブ』のお手本を示したかのような内容。様々なジャンルを通過した多彩な切り口によってアプローチを施しながらも、その音像は紛れもなくプログレッシブ・ロックそのもの。
【No.11】Songs From The North I, II & III / Swallow The Sun
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フィンランド産ゴシック・ドゥームメタルバンドの重鎮による6作目。”Gloom”、”Beauty”、”Despair”と異なる名を冠した3つチャプターによって、彼らの辿ってきた音楽の歴史を旅する集大成的な作品。そして描かれるのは北欧のトラディショナルな物語がオーロラのように美しい音像によって紐解かれていく、巨大な叙事詩。
【No.12】Into Forever / Matthew Halsall & The Gondwana Orchestra
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イギリス出身のトランペッター兼コンポーザーによる最新作。前作で顕著だった東洋風のオリエンタルなメロディーはそのままに、ヴォーカリストJosephine Oniyamaやストリングス隊を大きくフィーチャーした事で更にスケールの大きな音像を構築することに成功。ヴァイオリンやチェロのたおやかな旋律とハープの滴るような旋律も織り交ぜ、過去最高の深みを湛えた癒しのジャズサウンドを生み出しています。
【No.13】Deeper Darker / Shreddy Krueger
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カナダ出身のポストハードコア・カルテットによる2作目。ヘヴィーで激情的なアンサンブルが生み出すアトモスフェリックな音像を独自の音楽性とし、アーティスティックな美を湛えたポストハードコア・サウンドを披露。ポストハードコア・メタルコアファンだけでなく、プログレッシブメタルやDjentがお好きな方にもアピールできる内容に仕上がっています。
【No.14】Laurestine / So Hideous
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米ニューヨーク出身のポスト・ブラックメタルバンドによる2ndアルバム。前作でDeafheavenとも比較された苛烈なアンサンブルはやや身を潜め、ドラマティックなシンセサウンドが強く主張するアトモスフェリックな音像へと姿を変えています。しかしこれが功を奏し、彼らの強みであるダイナミックな慟哭のメロディーは新たな音楽性によってさらに強力なものへと進化しました。ブラックメタルというフォーマットの中で、美を極限まで高めた極北の作品です。
【No.15】Ascension / Amiensus
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アメリカはミネソタ州を拠点とするプログレッシブ・ブラックメタルバンドの2作目。解放感のあるシンセや女性ヴォーカルを交えた美しいコーラスワーク、そして深みのあるアコースティックギター等をより効果的に駆使し、Opethばりの深みのあるサウンドスケープを形作っています。下半期に入って彗星のように登場した期待の若手ブラックメタルバンドの一つです。
【No.16】follow slowly / 猫叉Master
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音楽ゲーム『BEMANIシリーズ』に数多くの楽曲提供を行ってきた実績を持つ人気コンポーザー、佐藤 直之こと猫叉Masterの4thアルバム。ラテン的に刻むビートや胸の締め付けられる哀愁のメロディーラインが縦横無尽に駆け回るインスト楽曲群の素晴らしさは勿論のこと、女性ヴォーカルをフィーチャーしたポップ&ヒロイックな楽曲達はどれも過去最高のクオリティー。『妄想旅行』をコンセプトとする本作には、日常の美しい風景を感じさせるカラフルなメロディーが詰まっています。
【No.17】Back to Earth / EXXASENS
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スペイン・バルセロナ出身のポストロックバンドの最新作。スペイシーな空気感漂うアトモスフェリックなメロディーをメタルバンド顔負けの轟音で響かせる実力派ですが、本作で遂にブレイクスルーを果たした会心の内容に仕上がっています。宇宙や銀河を表現するかのような力強いアンサンブルが、過去最高の説得力を伴って壮大なタペストリーを編む傑作です。
【No.18】Polaris / TesseracT
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UK産プログレッシブ・メタルバンドの最新作。かつてのヴォーカリストであるダニエル・トンプキンスを再召集し臨んだ最新作は、「Djent」という枠組みを軽く凌駕しKscopeバンドとして相応しいポスト・プログレッシブメタルを表現しています。プログレッシブな方面への深化という点で非常に進展が見られる内容で、噛み締めるように聴けば聴くほどに味が出るスルメ盤です。
【No.19】The Congregation / Leprous
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ノルウェーのプログレッシブロック/メタルバンドによる5作目。常に進取的な手法で新たなロックの形を目指し続ける「プログレッシブ・ロック」を現在進行形で体現し続ける彼らの新作は、精密に組み上げられたマスマティックなメロディー・アンサンブルに更なる深みと奥行きを持たせ、前衛性を極めた前人未到の逸品となっています。特にトライバルに叩きまくる本作のドラミングは一聴の価値ありです。
【No.20】Without My Enemy What Would I Do / Made In Heights
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アメリカはロサンゼルスのエレクトロポップ・デュオによる2ndアルバム。ダウンテンポ・トリップホップ色の強かった前作に対し、ミニマルなデジタルビートを多く配したヒップホップ色の強いエクスペリメンタルな作風となり、Bulkinのコケティッシュな歌声もそれに伴ってより強調されています。結果的にそれは独自の個性へと繋がり、またソングライティングのクオリティーも上がっているためあらゆる面で前作を超える作品へと仕上がっています。
【No.21】Witchboro / Rosy Finch
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スペインのサイケデリック/ストーナーロックバンドによるデビュー作。70’sドゥーム/サイケデリックロックと90’sグランジ/オルタナティブロックをブレンドし、スモーキーな荒々しさと退廃的な美しさを兼ね備えた独自のヘヴィ・ロックを創り上げた作品。豪快なグルーヴを見せ付ける前半部分と濃密なドゥーム/サイケワールドを展開する後半部分で作風が分かれており、彼らの多彩な才能を垣間見る事が出来る内容となっています。
【No.22】Fortified / Ghost-Note
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Snarky Pappyのドラマーとパーカッショニストが組んだユニットによるデビューアルバム。多彩なパーカッションを駆使して生み出される、南米音楽やヒップホップ・アフロビートといったブラックミュージックから影響を受けたグルーヴは圧巻の一言。また随所にキーボードやホーンによるフックのあるメロディーを配置しているおかげで親しみやすく、ジャンルの壁を越えて多くの人を惹き付けるキャッチーな作風に仕上がっています。
【No.23】Litourgiya / BATUSHKA
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出自不明のブラックメタルバンドによるデビューアルバム。謎に満ちた存在ながら、アルバムの内容はそこらの中堅所が裸足で逃げ出す程のハイクオリティー。ブラックメタル・デスメタル・ドゥームメタルの各要素をハイブリッドに纏め上げた音像は強いカルト感を漂わせながらも、アーティスティックな拘りを感じさせる入魂の逸品。
【No.24】Black Plastic Sun / Abigail's Ghost
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米ニューオリンズ出身のプログレッシブロック/メタルバンドによる3作目。前作から6年振りのリリースとなった本作ではピアノやストリングスが大きくフィーチャーされ、サウンドはより上品でダイナミックなものとなりました。勿論これまでの憂愁のメロディーやヘヴィなアンサンブルも健在で、優美さと相まってサウンド全体をより幽玄で趣深いものにしています。
【No.25】The Big Distraction / Ohio Sky
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オハイオ州・クリーブランド出身のオルタナティブ/アトモスフェリック・ロックバンドの最新作。ダークでアトモスフェリックな音像を徐々に拡張していくような、繊細な美しさと激情性を高次元で両立した傑作。清廉なリフレインと冷たいKeyの音色が宇宙的な音像を形作り、重厚感と爆発力に溢れるアンサンブルが切り裂くようにカタルシスを生み出していく、圧倒的なサウンドを堪能できます。
【No.26】Arctic Lights / Enau
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ベラルーシの首都ミンスク出身のポストロックバンドによる2作目。Arctic Lights(北極光)というアルバムタイトルの通り、澄み切った北極圏の夜空を蒼いオーロラが照らすような幻想的で美しいインストルメンタル・ロック。澄み切った空気のようなアンビエントシンセと美麗なアルペジオギター、そして全てを飲み込む轟音がナチュラルに融け合い、耳馴染みの良さと扇情性を巧く両立しています。
【No.27】Meliora / Ghost
アートワークコメント
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スウェーデン産ドゥーム/ハードロックバンドの3作目。70年代ドゥーム/クラシカルハードロック由来の無骨なカッコ良さが光るアンサンブルを地盤に、中世的なオカルトホラー感を極めた素晴らしい作品。前作と前々作の良いとこ取りのような作風で、ポップに振り切れすぎた前作から即座に修正してきた事から彼らのバランス感覚の良さが伺えます。
【No.28】The Ride Majestic / Soilwork
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スウェーデンのメロディックデスメタルバンドの10作目。今年は邦楽勢含めメロディック・デスの新作が多くリリースされたけれども、結局はこのアルバムを超える作品は最後まで現れませんでした。前作の2枚組みという形で行った多くの試みを、凝縮・昇華させた傑作であり意欲作。
【No.29】Seven Summers / Shaun Martin
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Snarky Puppyのキーボディストによるソロデビューアルバム。Bill Lauranceの「Swift」が銀盤を中心にクラシック隊と電子音楽を積極的に取り入れたエクスペリメンタルな作風であったのに対し、本作はクラシカルなジャズフォーマットに比較的忠実な内容。それでも単に古典的なジャズを模したものではなく現代的なセンスや実験的要素をさり気なく融合し洗練・昇華させた、バラエティーに富んだ内容に仕上がっています。
【No30】Weltschmerz / Totem Skin
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スウェーデン出身の叙情派ブラッケンド・ハードコアバンドによる最新作。クラストコア風の乾いたギターリフが主導する怒涛のハードコア・アンサンブルの中に、スウェーデン産バンド独特のトラディショナルな叙情フレーズやトレモロリフがふんだんに仕込まれた好き者には堪らない作風。同じ北欧出身のMartyrdödやKvelertakと比べても更に土着的な荒涼さがあり、体感速度も上回ります。

リンク先ブログ様の年間ベストアルバム

※公開され次第、随時更新予定です

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総括

既に様々な音楽メディアが今年のベストアルバムを発表していますが、それらを俯瞰するに今年はブラックミュージックが特に強かったようですね。世間的にはそのような状況だったみたいですが、私といえば相も変わらずメタル/プログレ/ポストロックが中心の一年でした。中でもプログレッシブ・ロック、ゴシックドゥーム、そしてジャズが今年の個人的なトレンドでしたね。またレビューでは取り上げていませんが、インディーミュージックも例年に比べると多く体験する事が出来ましたし、ジャズに関しても徐々に琴線に触れる作品を見出せるようになったりと、聴く音楽の幅はかなり広がった気がします。その分、取りこぼしも多くなりましたが…。来年も広く浅くをモットーにマイペースで更新していきますので、是非ともよろしくお願いいたします。