Man Made Object / GoGo Penguin

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Release : 2016/1/27

Genre : Jazz / Experimental

Samples : “All Res”

Tracklist :

  1. All Res
  2. Unspeakable World  ★オススメ
  3. Branches Break
  4. Weird Cat
  5. Quiet Mind
  6. Smarra
  7. Initiate
  8. GBFISYSIH
  9. Surrender To Mountain
  10. Protest
  11. Fading : Feigning(国内盤ボーナストラック)
  12. Green Lit(国内盤ボーナストラック)

イギリス・マンチェスター出身のピアノ・トリオGoGo Penguinの3rdアルバム。3作目にして初の国内盤リリースとなりました。

おととしリリースの前作『v2.0』がイギリスまたはアイルランドで最も優れたアルバムに贈られる音楽賞「マーキュリー・プライズ」にノミネートするなど、UKジャズの新星として世界中の注目を集めた彼らですが、今作と共にいよいよ”Blue Note”からメジャーデビューを果たし、世界に向けて本格的な快進撃の狼煙を上げています。

まず目を惹くのはそのコミカルなバンド名ですが、奏でる音楽は極めてストイックで先進的。伝統的なジャズをリスペクトしつつ、Aphex TwinやSquarepusher、Massive Attack、Brian Eno等にも影響を受けたというそのアンサンブルは、ジャズでありながらまるでエレクトロミュージックのよう。ループするピアノやタイトなベースプレイもそうですが、ドラムが随所で叩き出すドラムンベースばりの手数には目を見張るものがあります。

そんな圧倒的な技量を持ち合わせた彼らですが、前作でややせわしなく感じたメロディーが今作ではぐっと深みと安定性を増し、極めてコンテンポラリーかつポピュラーな作風となりました。ピアノによるエモーショナルなメロディーが雲間の光のように降り注ぐ#1、変則的なドラミングと相反するように、流麗な音色を奏でるピアノが映える#2、4ビートのドラムと軽やかなピアノによってスキップのように進行する#3、ループ感を意識させるミニマルなアンサンブルが心地良い#5、ピアノに湿ったキッチンペーパーを挟む事で生まれるシンセサイザー風の音色やノイズの挿入など、奥行きを意識した実験的なサウンドが印象的な#6、ゆったりとリリカルなメロディーラインを紡ぐピアノがフィーチャーされた#8、弦のしなりまで感じさせる強烈なベースプレイと圧倒的な手数を誇るドラムが印象的なリズム・チューン#10に加え、国内盤ボーナストラック2曲も強靭なリズム感と透き通ったメロディーが非常に際立つ良曲で、全体を通してバラエティーに溢れ尚且つ素晴らしい出来栄えを誇ります。

ジャズと言われると伝統的な旧来のイメージがついて回ってしまうものですが、最先端の音楽を注視し採り入れながら自らをアップデートし続ける彼らの音楽を聴けば、その未来の姿も明るいものだと思わせてくれます。生楽器でエレクトロミュージックをも表現する彼らの音楽性を”人工物”と評しそれをアルバム・タイトルにしたとの事ですが、人の演奏による表現の可能性を追い続ける彼らの気概や夢、そして才能が忠実に詰め込まれた本作が素晴らしくない訳が無く、紛れも無い傑作に仕上がっています。

コメント

  1. 旧一呉太良 より:

    前作よりも硬質に、エレクトロ寄りの音楽になったという印象です。
    おっしゃる通り、ドラムが凄いんですね。

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