Dizzy Mizz Lizzy “Forward In Reverse”
Release : 2016/4/8
Genre : Hard Rock
Samples : “Made to Believe”
Tracklist :
- Phlying Pharaoh
- Forward In Reverse
- Terrified In Paradise
- Brainless
- Something So Familiar
- Love At Second Sight ★オススメ
- Made To Believe
- Frey
- Mindgasm
- Fly Above The Radar
- I Would If I Could But I Can’t
- Say It To Me Anyway
デンマークの3ピースロックバンド、Dizzy Mizz Lizzyの20年振りとなる3rdアルバム。
若くして彗星のようにハードロックシーンに登場し、94年に1st『Dizzy Mizz Lizzy』、そして96年には2nd『Rotator』をリリース、デンマーク国内で驚異的なセールを上げ日本にもその名声は及びながらも、周囲の急激な環境変化に戸惑い、間もなく解散の道を選んでしまった伝説のバンドDizzy Mizz Lizzy。しかしバンドのフロントマンにして世界最高のメロディーメイカーとしても名を馳せるTim Christensenはソロ名義での活動を開始、2011年には「Tim Christensen & The Damn Crystals」として本格的なバンドアンサンブルを披露するなど、徐々にではありますがDizzy Mizz Lizzy復活の兆しを匂わせるようになりました。そして今年、遂に復活を遂げリリースする待望の3rdアルバムは”Forward In Reverse”(逆向きに前進する)というタイトル通り、バンドDizzy Mizz Lizzyとしての原点に立ち返りながらも、新たに”成熟したバンド”としてリスタートを切ろうという気概を強く感じさせる力作に仕上がっています。変則的なリズムチェンジも織り交ぜた力強いドラミングにエッジの効いた分厚いギターフレーズ、躍動感のあるベースプレイ、そして哀愁と情念に満ちたパワフルなヴォーカルワークを聴くと、やはりこのアンサンブルはDizzy Mizz Lizzyにしか生み出せないものであると改めて実感させてくれます。一方でTimのソロ作品を想起させるようなポップ&キャッチーなメロディーラインが印象深い楽曲も多く、ソロ時代を通じて更に成長を遂げたTimのソングライティング技術がしっかりと継承・昇華されている事も伺えます。結果として過去2作を遥かに上回る多彩さに富んだ、単なるロック作品に留まらないジャンルレスな魅力に溢れた作風に仕上がっており、Dizzy Mizz LizzyからTimのソロワークまで彼らの事を追ってきたファンには感涙ものの、そして彼らを初めて知る方にとっても入門編としてうってつけの作品となっています。
楽曲単位で見ても#2や#4、#6、#7といったキラーチューンを初め強力なナンバーが目白押しで言う事ありません。ただ懐古に浸らせるだけでなくこれからの勇姿をも大いに期待させてくれる、カムバックアルバムとしてこれ以上無い傑作です。
ディスカッション
コメント一覧
日本ではアルバム2枚で消え去った印象しかありませんが、本国デンマークではずっと伝説のグループとして語り継がれていたみたいですね。それにしてもジャケがひどすぎる。正直、これで自分はリストから外しました。しかし、あっきーさんのレビューはアツイですね。これだとちょっとチェックしてみたくなるなぁ。ただYOUTUBE動画に関してはファーストのイメージと比べてしまって、「Dizzy Mizz Lizzyとしては、リフ重視でちょっとメロディー弱いかな。」と感じてしまうのですよね。
>やはりこのアンサンブルはDizzy Mizz Lizzyにしか生み出せないものである
これは確かにその通りですね。素晴らしい個性。
>旧一呉太良さん
お返事遅くなってすみません。
確かにジャケットはダサいですが(笑)、中身は過去作と比べても遜色ないクオリティーなので、ぜひ一度聴いてみてください。
おっしゃる通りギターリフによるグルーヴ感を重視した曲もあれば、美しいメロディーラインを重視した曲まで幅広く、聴き応えのある逸品に仕上がっていましたよ。