Ihsahn “Arktis.”
Release : 2016/4/8
Genre : Progressive Metal / Black Metal / Avant-Garde
Samples : “Mass Darkness”
Tracklist :
- Disassembled
- Mass Darkness
- My Heart Is of the North
- South Winds
- In the Vaults
- Until I Too Dissolve
- Pressure
- Frail
- Crooked Red Line
- Celestial Violence ★オススメ
- Til Tor Ulven (Søppelsolen)
ブラックメタル史に名を刻む伝説的バンド、EmperorのフロントマンIhsahnによるソロ6作目。前作と同じCandlelight Recordsからのリリース。
初期の作品群こそ後期Emperorの延長線上にある作風だったものの、3rd『After』辺りからブラックメタルの枠組みに囚われない独自のアヴァンギャルド/プログレッシブメタルへと変貌を遂げ、テクニカルな演奏が織り成すアヴァンギャルドな芸術性と、ノルウェーの美しい自然をイメージさせるエピックなメロディーセンスが融合した独自の音楽性を披露するようになりました。6作目となる本作は、過去作品でも感じられたブラックメタルの攻撃的な残り香は更に薄れ、またこれ見よがしにエキセントリックな作風でもありません。Trivium、Leprous、Shiningのメンバーがゲスト参加していることからも想像できるように、様々な音楽性を吸収した密度の濃さはそのままに余分な角を落とし、綿密且つ豪快なプログレッシブ・メタルとして極限まで純度を高めた内容です。黒い瘴気を放つギターリフや過去作でも頻繁に登場したサックスは健在で、全編を通じてムーディで知的な色気が漂っています。一方でキーボードの使い方は明らかに大胆になっており、シンフォニックメタル顔負けの扇情的な美しさには思わずはっとします。弟分のLeprousから逆輸入したかのようなミニマルで精密なリフや、曲によっては80年代クラシック・メタル風のギターフレーズが登場するなど、細部で新たなチャレンジに溢れ、それでいて極めて整合性の高い芸術的な完成度を誇る逸品と化しています。LeprousのリードヴォーカルEinar Solbergがゲスト参加した#10.Celestial Violenceが個人的ハイライト。
過去作を聴いてきたファンであれば間違いなく買いです。個人的には2nd『angL』に並ぶ最高傑作。Ihsahnのイマジネーションが過去最高潮に爆発した力作と言えるでしょう。
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