AdhesiveWombat “Sticky Tracks”
Release : 2016/5/8
Genre : Chiptune / Electro Pop / Rock
Samples : bandcamp
Tracklist :
- Symphony of a Forgotten Sprite
- Overdrive ★オススメ
- Kelp
- Space Raptors
- Tesseract
- Grimlock
- Jiggy
- Cube
- Organ Freeman
- Swanky Ballroom Party for Sophisticated People
アメリカはノースカロライナ州のエレクトロ・ミュージシャン、AdhesiveWombatの2ndフルアルバム。
普段はシステムエンジニアとして働き、夜間の空き時間に音楽制作を行っているというチップチューン界隈のアーティスト。友人のユーチューブ・チャンネルへの楽曲提供から本格的な音楽制作をスタートさせ、それからは主にsoundcloudに楽曲を投下してファンを増やし続け、今やsoundcloud上だけで1万人以上のファン・コミュニティが形成される程の支持を集めています。私が彼(彼女?)の事を知ったのはbandcampで公開されていた1stフル『Marsupial Madness』がきっかけでしたが、オープニングトラックでありキラーチューン「8 Bit Adventure」をはじめとした、8bitサウンドとロック/ファンク/ジャズ等をスムーズに融合したコミカルでクールなチップチューンが非常に魅力的な名作でした。3年振りの新作『Sticky Tracks』でもその傾向は変わらず、レトロゲーム風のノスタルジックな8bitサウンドとアタック感の強いビートを機軸に、ロックやファンク、ジャズ、ハウス等を融合した極めて高品質なエレクトロ・ポップミュージックを作り上げています。同じフレーズでも楽曲の展開に応じて巧みに音の重ね方や背景の音像を変える事で、全体を通して奥行きと抑揚に満ちたダイナミックな作風に仕上がり、多くの人が抱えるチップチューン=チープなサウンドという固定観念を覆し得る力作となっています。哀愁のメロディーラインを紡ぐシンセサウンドが魅力的なオープナー#1をはじめ、ロ○クマンへの多大なるリスペクトを感じさせるエレクトロ・ロックチューン#2、ゴリゴリのベース&シンセがスペーシーなメロディーを纏って進行する#4、脱力感に溢れたシンセサウンドがひと時の癒しを与えてくれる#7が特にお気に入り。
この手の作品にありがちな単調さとは全く無縁のクールで中毒性の高いエレクトロ・ポップ。キャッチーなエレクトロ・ミュージックをお探しの方には是非オススメしたい傑作です。
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