The Ever Shifting Fields / Seas of Years

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Release : 2016/5/17

Genre : Post Rock / Gothic Metal

Samples : bandcamp

Tracklist :

  1. Passing Skies
  2. Ledge
  3. Stairwell
  4. Mapping the Clouds  ★オススメ
  5. The Glass Shelter and the View
  6. Weaving Cities from Dust
  7. In Collusion with the Waves
  8. Rely on Thermal Winds
  9. Ceasing Bridges

スウェーデン、ストックホルムのポストロック/ゴシックメタルバンド、Seas of Yearsの待望の1stフルアルバム。

2012年にOcean Riftの名前で結成され、13年に1st EP『Ocean Rift』をリリース。その1年後にバンド名を現在の名前に変更して2nd EP『Drifting Ever Shifting』をリリースしています。特に2nd EPの出来は凄まじく、当時のレビューでも述べたように「こんなポストロックが聴きたかった!」とガッツポーズしてしまうほど素晴らしい作品でした。元Slumber(現Enshine、Atoma)のJari Lindholmが在籍し、Slumberの名残を感じさせるマットで叙情的なメロディーをいかんなく塗しながらポストロックの方法論を大胆に採り入れた、メタル色の強いEnshineやプログレ/スペースロックとの融合を果たしたAtomaとはまた異なる魅力を持ったバンドです。

アルバムの内容は2nd EPでも収録された5曲に、新曲4つを追加したもの。前EPは全ての楽曲がキラーチューンという化け物じみた作品でしたが、追加された楽曲も劣らず素晴らしい。特に#4. Mapping the Cloudsの美しいギターメロディーは至福の一言で、Alcest等ポストブラック勢にも通ずる甘美で幻想的なフレーズを雨のように降らせてくれます。

個人的にはEPを聴き込んできた経験があるので新鮮味にはやや欠けるアルバム構成ですが、それでも素晴らしいアルバムであると言う事は否定しようがなく、既聴感を抜きにした純粋なクオリティーを見れば今年リリースされたアルバムの中でもトップレベルの作品である事は間違いありません。本作のマスタリングはCult of Lunaの名匠Magnus Lindbergが手掛けており、彼の手によって透明感と厚みを絶妙のバランスで兼ね備えたサウンドスケープが実現しています。

Jari Lindholmが関わるバンド達(Slumber、Enshine、Atoma…,etc)のファンであれば、本作もきっと肌に合うと思います。2nd EPの曲が全て収録されているため最初に手に取る入門作品としてこれ以上の物は無いでしょう。前作以前からのファンにとっては新鮮さの少ない作品ではあるものの、新曲の為だけに買う価値はありますし、既存曲もフルアルバムの流れの中で聴くと違った趣を感じるものです。ポストロックやゴシックメタルがお好きな方に広くアピールする逸品ですので、気になった方は是非そのクオリティーを確かめてみてください。