In Mourning “Afterglow”
Release : 2016/5/20
Genre : Progressive / Melodic Death Metal
Samples : “Below Rise To The Above”
Tracklist :
- Fire And Ocean
- The Grinning Mist ★オススメ
- Ashen Crown
- Below Rise To The Above
- The Lighthouse Keeper
- The Call To Orion
- Afterglow
スウェーデンのプログレッシブ・デスメタルバンド、In Mourningの4thアルバム。
ヘヴィーメタルが最も盛んな国の一つであるスウェーデンにおいて、デビュー以来屈指の有望株として注目を集め続けるIn Mourningですが、2nd『Monolith』まではOpethやDark Tranquillity、Meshuggahといった同郷のプログレッシブ/デスメタルバンドのキメラ的な音像で、圧倒的な完成度を誇りつつも確固たるオリジナリティーは模索中の段階に留まっているような作風でした。しかし前作『The Weight Of Oceans』は持ち味のメランコリック・メロディーの扇情度合いを強めつつ、ポスト・スラッジメタル風の沈み込むギターリフを積極的に採用、クトゥルフ神話という壮大なテーマも相まって”北欧版The Ocean”とでも例えたくなる新機軸のサウンドを披露し、In Mourningにしか再現し得ない境地たる音楽性へと歩を進めた傑作でした。
4年ぶりのリリースとなった本作ですが、ドラマーに元KatatoniaのDaniel Liljekvistが交代加入するというサプライズがありました。3人ものギタリストがいるバンドでこれまでドラムはどうにも地味に映りがちだったのですが、本作においてはその限りでなく、比較的アグレッシブな作風も相まって主役は俺だ!と言わんばかりにテンポの良いユニークなドラミングでビシバシ主張しています。前作はアグレッションよりもスラッジメタル風の重厚なアンサンブルや深みのある叙情的なメロディーラインにフォーカスが当てられていましたが、本作では1st,2ndでも見せた攻撃性が大きく復活し、アルバム前半部を中心にハッとさせるようなキレのあるギターリフが何度も登場します。改善されたドラミングとの相乗効果で生み出されるグルーヴは凄まじく、速い曲も遅い曲もドラムが楽曲の骨組みをしっかり作りながらリズム隊の先導を切っています。一方メロディーの質も安定的に向上しており、今やInsomniumやGhost Brigadeにも比肩する美麗極まりないエピック・メロディーを心ゆくまで堪能できます。サウンドプロダクションが若干こもり気味なのが気になるものの、上述した余りある美点に比べればほんの些細なマイナス要素でしかありません。
個人的には彼らの作品群の中でも最高傑作に位置する作品だと思います。先日紹介したKatatoniaの新作も素晴らしいものでしたが、本作も負けず劣らずのクオリティーを誇るアルバム。北欧の完成された美しいプログレッシブ・デスメタルを聴いてみたい方は是非お試しください。
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