天声ジングル / 相対性理論

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Release : 2016/4/27

Genre : Pop / Rock

Samples : “ウルトラソーダ”

Tracklist :

  1. 天地創造SOS
  2. ケルベロス
  3. ウルトラソーダ
  4. わたしがわたし
  5. 13番目の彼女
  6. 弁天様はスピリチュア  ★オススメ
  7. 夏至
  8. ベルリン天使
  9. とあるAround
  10. おやすみ地球
  11. FLASHBACK

珠玉の歌声を持つヴォーカリストやくしまるえつこ率いる国産ポップ/ロックバンド、相対性理論の最新作。

『ハイファイ新書』と並ぶ傑作『シンクロニシティーン』がリリースされしばらくして、バンドのオリジナルメンバーであった真部脩一(ベース)、西浦謙助(ドラムス)が脱退したと知ったときの絶望感ったら凄まじく、特にソングライティングにおけるキーパーソンと目されていた真部の脱退は、バンドにとって致命傷になると誰もが思った事件でした。新しく加入したメンバーはそれこそ精鋭部隊と呼べるような方ばかりでしたが、脱退騒動から間もなくしてリリースされた『TOWN AGE』は良くも悪くも普遍的なスタイルに収まってしまっていて、一部では”相対性理論は死んだ”とさえ囁かれるようになりました。ヴォーカルやくしまるえつこの脱力感溢れるシュール&ノスタルジックな歌声…は健在ですが、安定度を増した代わりに前のめり感や鋭さを失った演奏、言葉遊び感の強かった謎歌詞も余り聞かれなくなり、繰り返し聴くほどに真部脩一という人物のヤバさとかけがえの無さを痛感させられてしまう、悲しい作品でした。

そんな経緯もあって期待と不安半々で手に取ったこの作品ですが、前作の”洗練されたポップミュージック”感を推し進めながらも、過去の血を濃厚に採り入れたハイブリッドな作品となっています。新しい道を模索しながらどこか第三者的に”相対性理論”を演じていたかのような前作から、完全に地に足ついた新たなスタイルを確立した画期的な作品へと進化しています。ポストロックやマスロックにも通ずる美しくシャープなギタープレイ、クラブミュージックやジャズ顔負けの豊かなビートを生み出すドラミング、やくしまるえつこの朗読と歌唱の間を行き来するようなユニークなヴォーカルワークが新たな風を吹かせつつ、かつての相対性理論を強く想起させる蕩ける様なメロディーラインも復刻し、古参と新規のファン両方の心を掴むような作風に仕上がっています。流石に『ハイファイ新書』の異常な完成度には及ばないものの、『シンクロニシティーン』と比べるならば同等以上の出来だと胸を張って言えます。新生”相対性理論”のリスタートに相応しい秀作です。

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