Act V: Hymns with the Devil in Confessional / The Dear Hunter

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Release : 2016/9/9

Genre : Art Rock / Progressive Rock

Samples : “The Revival”

Tracklist :

  1. Regress
  2. The Moon / Awake
  3. Cascade
  4. The Most Cursed of Hands / Who Am I
  5. The Revival
  6. Melpomene
  7. Mr. Usher (On His Way to Town)
  8. The Haves Have Naught
  9. Light
  10. Gloria  ★オススメ
  11. The Flame (Is Gone)
  12. The Fire
  13. The March
  14. Blood
  15. A Beginning

米ロードアイランド州出身のプログレッシブ・ロックバンド、The Dear Hunterの7thアルバム。第一次世界大戦を生きた少年の人生を描く物語「The Actシリーズ」の5作目。

Moon SafariやCoheed and Cambriaにも負けず劣らずの美メロと、アメリカ産らしいミュージカル的なダイナミズム溢れるアンサンブルが特徴的なバンド。プログレッシブロックの枠組みで語られることが多い彼らですが、エモやアヴァンギャルド・ロック、スウィングジャズといった周辺音楽も積極的に取り入れているため、実態は古典的なプログレッシブロックとは似て非なるものになっています。

前作からちょうど一年振りという短いスパンでのお披露目となった今作ですが、引き続き彼ららしい軽快でロマンティックなアート・ロックが奏でられています。ただ前作は愉快で開放感のあるロックナンバーが多かったですけど、今回はジャズやソウル、フォークっぽいアンサンブルやこぶしの効いた歌いまわし、シニカルな銀盤の音色が目立ちます。元々彼らの音楽に対して「演歌っぽいな~」と思っていましたが、今作は過去最高に演歌してますね。多幸感を煽る前作に対して今作は感情の奥深くを抉り慰めるような、内省的な印象のナンバーが多いです。

実質的なオープニングナンバーである#2. The Moon / Awakeの軽快なベースリフによるイントロからもうガッツポーズしてしまう私…チョロイですね(笑)。この曲だけでなく全編に通ずる事ですが、前作よりもゆったりと、しかしより大きな抑揚感で、オーケストレーションやアコースティックギター、銀盤を駆使したアンサンブルによってレトロモダンな世界観がとても濃厚な密度で描かれています。ふわっとした暖かいSEと優雅なストリングス、ピアノの清らかな旋律が包み込んでくるミドルナンバー#3. Cascadeも素晴らしい。その他、前作の”A Night on the Town”に通ずるようなスウィンギンなアップテンポナンバー#5. The Revival、ストリングスと銀盤の優麗なハーモニーをバックに、Caseyの美しい歌声が揺蕩う#6. Melpomene、軽やかなリズムセクションとジャズピアノ、コーラスが踊る情熱的なソウル/スウィングジャズナンバー#7. Mr. Usher (On His Way to Town)、幽玄なヴァース&コーラスから、サビの突き抜けるような爽やかさへのカタルシスがこの上ない#10. Gloria、軽快なリズムに乗って昭和歌謡的なメロディーを紡ぎ出す#13. The March、前作のオープナー”The Old Haunt”で使われたメロディーも効果的な形で引用されています。優麗なストリングスやコーラス、SFちっくなアンビエントSEによって徐々に音響を膨らませていくラストナンバー#15. A Beginningも実験的で面白い。といった風に、相変わらずジャンル不問の選り取りみどりな楽曲が揃っています。

前作ほどの即効性はありませんが、完成度は負けず劣らずの素晴らしい作品です。ビルボードアルバムチャートで48位を記録したのも納得(ちなみに過去最高位は前作の39位)。上述したMoon SafariやCoheed and Cambriaがお好きな方には鉄板ですが、エモや最近のポストハードコア、The Mars Voltaのようなバンドのファンにもオススメできる懐の深い逸品。

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