Hibernation / Immanu El

Release : 2016/11/25

Genre : Post Rock / Ambient

Samples : Spotify / Apple Music

Tracklist :

  1. Voices
  2. Winter Solstice
  3. Mt.
  4. Omega
  5. Dvala
  6. Hours  ★オススメ
  7. Completorium
  8. Empty Hands

スウェーデンのポストロックバンドImmanu Elによる、前作『In Passage』から5年ぶりとなる4thアルバム。

双子の兄弟であるClaes(クラエス)とPer(ペール)が中心となり、2004年に結成された彼ら。デビュー当時から北欧の澄んだ凍空をそのまま音にしたかのような、凛とした美しさと透明感に溢れる、彼らにしか生み出せないロックサウンドを確立していました。結成時は弱冠16歳だった彼らも今や30歳を目前に控え、円熟の域に達したミュージシャンシップを結実させた本作、プロデューサーにはスウェーデン音楽界における最大級の栄誉「スウェーデン・グラミー賞」にノミネート経験もある名手Johan Eckebornを迎え、とりわけサウンドプロダクションには過去最大級に注力したそうな。結果、過去作とはちょっと比較にならないほど”深み”のある冬のメランコリーに満ちた、名作映画のサウンドトラックに例えられてもおかしくない程ダイナミックでシネマティックな名作に仕上がっています。特にヴォーカルの存在感が大きく向上したのが特徴的で、更に説得力を増したクリスタルボイスにこれまた美しいコーラスが重なって、透明度の上がった音像をまるでオーロラのように輝きを放ちながら揺らめいている様は、圧巻の一言。元々、透明感や抒情性を重視しつつも典型的なポストロックのフォーマットには然程拘りを感じさせない、比較的自由なアンサンブルを聴かせてくれましたが、ここにきて本格的にジャンルの壁を壊してきたなと感じます。そしてその姿勢が彼らの音楽をより面白く精巧なものにしているのが嬉しいですね。

清廉なギターフレーズのリフレインとフロアタムの厳かな打音が木霊する空間を、慈愛に満ちた歌声が優しく撫でる#1. Voices、エレクトロビートを交えた繊細なリズムセクションがメロディアスな歌唱を引き立てる#2. Winter Solstice、装飾は最小限に、ゆったりとしたテンポでロマンティックな歌声を浮かび上がらせるバラード#3. Mt.、一転、跳ねる様なギターリフとビートがポップな歌のメロディーを彩る#4. Omega、澄み切った冬の夜空を幻視させるアンビエントナンバー#5. Dvala、力強いダウンビートと歌を基点に、エモーショナルなコーラスやギターフレーズが重なり至上の情景を描き出す#6. Hours、優しいピアノの旋律を伴って、叙情的な歌のメロディーが涙腺を刺激する#7. Completorium、ムーディな旋律で謡うように奏でられるリードギターと、美しいファルセットボイスのコーラスを伴って大団円を迎えるラストナンバー#8. Empty Handsまで、聴いていて心が洗われるような、清廉とした美旋律の連続。冬の夜に聴けば最高にムーディな気分になれるし、包み込むように優しい音像は睡眠導入にも使えそう。

先に書きましたが、本作のポイントは「歌」です。歌の存在感が過去最高に際立っています。また周囲のアンサンブルもポストロックに留まらず、アンビエントやドリームポップなど周辺音楽にも積極的に枝を伸ばしており、過去作と比較して最も実験的な作品と言って良いかもしれません。そして相応の時間をかけただけあって、様々な実験がそのまま完成度の向上に結びついており、彼らの描き出すメランコリックな音像もまた、過去最高の臨場感を持ってリスナーへと迫ってくる、紛れもない傑作へと仕上がっています。

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