Soft Sounds From Another Planet / Japanese Breakfast

Release : 2017/7/14

Genre : Indie Rock / Pop

Samples : bandcamp

Tracklist :

  1. Diving Woman
  2. Road Head  ★オススメ
  3. Machinist
  4. Planetary Ambience
  5. Soft Sounds from Another Planet
  6. Boyish
  7. 12 Steps
  8. Jimmy Fallon Big!
  9. The Body Is a Blade
  10. Till Death
  11. This House
  12. Here Come the Tubular Bells

米フィラデルフィア出身の若手エモ/インディーロックバンド、Little Big Leagueの韓国系フロント・ウーマンMichelle Zaunerによるソロ・プロジェクト、Japanese Breakfastの2ndスタジオアルバム。前作から引き続き、Dead Oceansからのリリース。

母親が癌にかかり、バンドを離れ闘病生活を見守る中で開始したJapanese Breakfast。亡き母親に捧げたデビューアルバム『Psychopomp』は、爽やかで鮮彩としたサウンドスケープの中に、天国にいる母のため努めて明るく振舞おうとする悲壮な決意がにじみ出た、可憐でセンチメンタルな作品。昔日の名残を感じさせるギターフレーズの数々と、80年代風のローファイ・シンセが追憶の情景を彩り、涙を誘う傑作でした。ピッチフォークを含む主要な音楽メディアで、かなりの高評価を得て話題になりましたね。

Little Big Leagueで培われたロックのバイブスを受け継いでいるのか、Japanese Breakfastにもロックとしての面白さが沢山詰まっています。個人的にはそこが彼女の音楽を好きになったポイント。開花したMichelle Zaunerの非凡なポップ・センスと、適度にスリリングで存在感のあるロック・アンサンブルがとても自然な形で融け合っているのが良い。ロックファンのリスナーでも、聴いていて全く退屈にならないんだ。そんな彼女の唯一無二っぷりを更にはっきり証明するのが本作『Soft Sounds From Another Planet』。前作の(良い意味で)ファジーなサウンド感とは違って、本作ではどの音もくっきり分離していて、美しく階層されたサウンドスケープを作り出している。そのおかげで、まるで映画音楽さながらの臨場感がある。さらにベッドルーム・ポップやサイファイ・ロック、ソフトロック、アンビエント、ハウスなどの要素を積極的に取り込んで、前作よりやや長くなった尺の中で縦横無尽に張り巡らしている。このゴージャスな作風も特筆的だ。それでいて全体としてはエレガントに落ち着いたトーンの「大人のポップス」として纏まっていて。その高すぎる完成度には舌を巻かざるを得ない。まさに今をときめくシンガーソングライターが持てる才能を全て絞り出して作った、「ヤバいアルバム」に仕上がっている。

6分を超えるサイファイ・ポップの#1. Diving Womanから、メランコリックなギターリフレインのそよ風に、揺れるシンセが幻想的な#2. Road Head、ロボットとの愛を歌ったハウス風スペーシー・ポップナンバー#3. Machinistまでの流れは最高だし、こぶしを効かせた歌とラップ・スティールギターの暖かいソロが響き渡るオーガニックバラード#5. Soft Sounds from Another Planet、今の季節にぴったりな、爽やかライトブルーなロックナンバー#7. 12 Steps、Juno 6というアナログシンセによるキッチュな音のカーテンが印象的な#9. The Body Is a Blade、妖精のように可憐なヴォーカルを主役に、透き通ったコーラスとシンセ、ムード感たっぷりなホーンが壮麗に彩る#10. Till Deathもまた素晴らしい。ジャケットアートの暖色感をしっかり体現した楽曲達だ。

作風は前作からずいぶん変わったように見えるけど、表現の核となる部分は変わっていないし、元々魅力的だったソングライティングは更に洗練されている。ファンならマストバイな内容です。また前作から引き続き、今作のMVも彼女の魅力を最高に引き出しているので、特に彼女を知らない人はぜひ試聴がてら下の動画を見て欲しい。ビジュアルから彼女の音楽に入り込むのもアリだ。