Dream Wife “Dream Wife”

Country : UK

Release : 2018/1/26

Label : Lucky Number / Hostess

Genre : Indie Rock / Punk / Pop

Samples : bandcamp

Tracklist :

  1. Let’s Make Out
  2. Somebody
  3. Fire  ★オススメ
  4. Hey Heartbreaker
  5. Love Without Reason
  6. Kids
  7. Taste
  8. Act My Age
  9. Right Now
  10. Spend The Night
  11. F.U.U. (feat. Fever Dream)

素晴らしい完成度を誇るデビューアルバムのリリースによって、先月のロックシーンにおいて鮮烈なデビューを果たしたDream Wifeは、英ブライストンのアートスクールで学を共にしてきた女性3人組。元々はカナダへ行く事を夢見て結成されたアート・プロジェクトであり、ライブは音楽とそれ以外の芸術を融合した前衛的なものでした。一時的なものだと思っていたバンド活動はいつの間にか継続し、今は地元のレーベル<Lucky Number>と契約を結びロンドンを拠点に活動しています。去年にはThe Killsのツアーサポートを務め、今年は大規模なヨーロッパ・ツアーを敢行するなど、ロックバンドらしい破竹の勢いでシーンを盛り立てています。

敬愛するミュージシャンにはデヴィッド・ボウイとマドンナを挙げるなど、彼女らのポップカルチャーへのリスペクトは非常に強く、音楽性にも非常にキャッチーなメロディーラインとして表れています。一方でパンクやガレージロックの血も色濃く受け継いでいて、意識していた訳ではないけれども、ミキシングの過程で自分たちの音楽にThe StrokesやBe Your Own Petがいたとインタビューでも語られています。ガーリーなビジュアル、ポップなメロディーとは裏腹に演奏はとてもタイトで、エッジーなギターリフを筆頭に一つ一つのサウンドが鋭く鼓膜に突き立てられます。ポップパンクと呼ばれるバンドは数多く量産されてきましたが、よりポップである事にフォーカスした音楽性と圧倒的に優れたソングライティングセンスによって、埋もれる事のないオリジナリティーを獲得しています。

海外盤を買ったために歌詞については割愛しますが、アルバムの幕開けを飾る”Let’s Make Out”では快楽や恋愛感情について歌っているのではないかと思われるし、#MeTooムーブメントへの回答として書かれたという#2. Somebodyではややセンチメンタルなしおらしさを滲ませ、#3. Fireでは火のような情熱の滾りが、#4. Hey Heartbreakerでは痛切な叫びが、#5. Kidsでは子供らしく快活に振舞う時の明るさが音となって表れています。女性の喜怒哀楽そのものがこのアルバムに込められているといっても過言ではないほど、表情の豊かなアルバムです。

歌詞についての話は置いておいても、演奏の素晴らしさだけで尚このアルバムは魅力的です。ロックとしての魅力がぎっちりと詰まった、最高にクールなこの演奏だけでいくらでもお釣りがくるというもの。ロックの時代は終わったといくらメディアが吹聴したとしても、ジャンルなどの分け隔てなく「良いものは生まれ続ける」のだと確信させてくれます。