Spurv “Myra”

Country : Norway

Release : 2018/5/31

Label : Fysisk Format

Genre : Post Rock

Tracklist : 

  1. et løfte i fall
  2. og ny skog bæres frem
  3. fra dypet under stenen  ★オススメ
  4. hviler bekkenes sang
  5. et blekt lys lyder
  6. fra myrtempelet
  7. den gamles stemme brister
  8. allting får sin ende, også natten

オスロー出身のインストルメンタル・ポストロック/メタルバンド、Spurv。ノルウェーの仄暗く幻想的な情景を、厚みのあるギターサウンドを中心にシネマティックに描き上げる、音の階層作りに長けたバンドです。その音像は典型的なポストロックに留まらず、シューゲイザーやポストメタルに迫る事もある。ジャンルという概念に囚われる事のない美しさの求道者。本作はそのストイックな姿勢が遂に昇華へと至った事が分かる、喜ばしい作品です。

全体的に見ればポストロックの範疇にあると言えますが、曲によってポストメタルの領域に相当踏み込んでいる点が画期的。それは実質的なオープニングチューン#2や続く#3、クライマックスナンバー#8における、スラッジリフに近い鈍重なギターリフのカットインや、より荒々しくうねり、ダイナミズムを意識したドラムやベースの躍動からも明らか。全体的に、ポストメタルに歩み寄っていると感じられることでしょう。反してシューゲイザーやポストクラシカル、アンビエントに近いサウンドも奏でられます。静と動、どちらに対しても演奏の振れ幅が広がっていて、それがサウンドのスケールアップに繋がっています。そこへ更にストリングス、ブラスセクションが加わるとなれば、その完成物の壮観さはきっと読者の想像を超えている事でしょう。この記事を読み終わったら是非、ご自身で感動を体験して欲しいと思います。

ちなみに本作、マスタリングにCult of Lunaのマグナス・リンドバーグが携わっています。この時点でポストメタルへの接近は察せられますよね。音質は、前作から格段に良くなっています。演奏と音質、それぞれの向上が相乗効果を生み出している良き例です。

今年上半期、私にとって本作以上に感動的だったポストロックは存在しませんでした。美しいアルバム・アートワークに恥じない、上半期最高クラスのポストロック・アルバムです。