Night Verses “From the Gallery of Sleep”

Country : USA

Release : 2018/6/29

Label : Equal Vision Records

Genre : Post Hardcore / Progressive Metal / Math Rock

Samples : bandcamp

Tracklist : 

  1. Cooper Wasp
  2. Trading Shadows
  3. Vice Wave  ★オススメ
  4. Vantablonde
  5. Lira
  6. No Moon
  7. Glitch In You I Thought I Knew
  8. No. 0
  9. Balboa
  10. Earthless
  11. Harmonic Sleep Engine
  12. Phoenix IV: Levitation
  13. Infinity Beach

フルアルバムとしては3作目となるNight Versesですが、本作までにヴォーカルが脱退しスリーピースのインストバンドに転身しています。バンドの顔を務めるフロントマンを失うのは少なくない打撃であるはずが、彼らはそれをステップアップの「機会」として捉えたようです。元々、At the Drive-InやDance Gavin Danceからの影響が窺えるポストハードコア/メタルコア・バンドと言うべき風貌が、本作ではヴォーカルレスとなった事でジャンルの枷から解放されたかの如く、縦横無尽に荒れ狂うインスト・パーティーを堪能できます。その獣じみた演奏には終始圧倒されるものの、ポストメタル、マスロック、ポストロックなんかの要素がそこかしこに散りばめられているから、完成物は存外に美しい。もっともヴォーカルがいた頃も僅かながらそれらの要素はあったから、正しく、ヴォーカルの穴をアイデンティティを崩さない理想的な形で埋めていると言えます。マス・メタルという響きに魅力を感じる読者がいれば、是非彼らの音楽に耳を傾けてみて欲しい。そこにきっと理想的なロック・ミュージックがある筈だから。

本作を聴いていると、元Dance Gavin Danceのギタリストが結成したStrawberry Girlsというバンドを思い出します。両者ともポスト・ハードコアを基点に据えたスリーピースのインストバンドという点で一致していますが、Strawberry Girlsはファンク、ヒップ・ホップやエレクトロニックミュージックとのコラボレーション、つまり一見して無関連多角化的な進化を遂げつつあるのに対し(ゲストヴォーカルも招きインストである事にすら拘っていない)、Night Versesは現時点ではロックやメタルの細分化ジャンルの取り込み、つまり関連多角化的な進化を遂げたことに相違を見る事ができます。シーンでも屈指の存在に躍り出た彼らが今後どのような進路を辿っていくのか、それはきっと、今後(インスト)ロック・ミュージックが生き残るうえで重要な道しるべとなるに違いありません。