Louis Cole “Time”
Country : USA
Release : 2018/8/10
Label : Brainfeeder
Genre : Electronic / Funk / Pop
Samples : Youtube
Tracklist :
- Weird Part Of The Night
- When You’re Ugly (feat. Genevieve Artadi)
- Everytime
- Phone
- Real Life (feat. Brad Mehldau)
- More Love Less Hate
- Tunnels In The Air (feat. Thundercat)
- Last Time You Went Away
- Freaky Times
- After The Load Is Blown
- A Little Bit More Time
- Trying Not To Die (feat. Dennis Hamm)
- Things ★オススメ
- Night
同じLA出身の女性シンガーGenevieve Artadi(ジェネヴィェーヴ・アルターディ)とのSci-FiポップデュオKnower。ルイスはソロ名義のアルバムを過去2作リリースしてきましたが、いずれもエキセントリックなKnowerの音楽性とは距離を置いていたように見えます。ソロミュージシャンとしての彼はジャズドラマーの素養やコネクションを活かしつつ、UKオルタナティブロックやソフトロック、アンビエント、クラシック等からの影響が強く窺える作品を発表してきました。対して5年ぶりとなった新作は、Knowerへの接近を恐れずとにかく「ポップ」であることに集約された作品。その異色な結果に驚いたファンも多いのではないでしょうか。
Brainfeederに移籍したことが、良い意味で大きな影響を与えていると思います。同郷の友にしてレーベルメイトにもなったThundercat(本作にも7曲目でゲスト参加している)、彼は去年に『Drunk』という傑作をリリースしましたが、古今のブラックミュージックとポップスを巧みに混合した『Drunk』と本作には共通した雰囲気があります。一方でルーツミュージックであるジャズのドラムと、Knower由来の奇天烈なテクノ/エレクトロポップのビートを融合してグルーヴに昇華出来るのは彼だけ。結果的にダンサブルでありながら上品で、また未来的でありながら素朴な空間を提供する、相反する要素が共存する不思議でオリジナリティ溢れる作風に仕上げています。
飽きさせないアルバムの構成も見事なものです。#1. Weird Part Of The Night、#5. Real Life、#9. Freaky Timesというアッパーでグルーヴィな楽曲を要所に配置しながら、合間のミドルナンバーで美麗なメロディーを存分に聴かせてくれます。特に#13. Thingsの素朴なシンセポップに今の嗜好が反応してノックアウト。本曲を筆頭にルイスのヴォーカルワークも確実に洗練されていますね。多用される揺蕩うようなファルセットボイスは聴くたびに恍惚としてしまいます。ゲストには上述したサンダーキャットに加え、Knowerでパートナーを組むジェネヴィェーヴ・アルターディ、現代最高峰のジャズ・ピアニスト、ブラッド・メルドーや、イーストマン音楽学校のロチェスター・ストリングスが参加。本作をよりフリーキーに、時に華やかに彩ります。
今年聴いたポップ作品の中でもトップクラスの内容でした。Thundercatと並ぶポップミュージックの開拓者として、その才能、存在感を十二分にアピールできる傑作。あらゆる音楽ファンに届いて欲しいアルバムです。
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