Riverside “Wasteland”

Country : Poland

Release : 2018/9/28

Label : InsideOut

Genre : Progressive Rock

Sample : Youtube

Tracklist : 

  1. The Day After
  2. Acid Rain
  3. Vale of Tears
  4. Guardian Angel
  5. Lament  ★オススメ
  6. The Struggle for Survival
  7. River Down Below
  8. Wasteland
  9. The Night Before

オリジナルメンバーだったギタリストの死の影響について、同年にリリースされたコンピレーション『Eye Of The Soundscape』(2016)で心配の半分は払拭されたものの、エレクトロミュージックの要素が強かったかの作品では「ロックバンドとしてのRiverside」に支障が無いかどうかまで、十分に確認する事は出来ませんでした…。しかし結論から言えば、それは杞憂に終わります。本作はいつにも増してダウナーな作風ではありますが、同時に悲しみを受け入れ新たに歩み出すバンドの再生をも示した作品であるから。これは、前作までの”the crowd trilogy”と呼ばれる3部作が幕を閉じた先の物語。そして、おそらく近年の彼ら自身を写し取ったであろう物語です。

音楽と同様に歌詞にも濃密な悲壮感が漂う本作。どこか第三者的に語られる歌詞の世界は黙示録的で、また呪われているかのよう。かけがえ無い友を喪った彼らにとって、この世界は文字通りWasteland(不毛の地)のように映ったのかもしれません。祈りの様で呪詛の様でもある、慎ましくも恐ろし気な歌#1. The Day Afterでスタートします。

#2. Acid Rainと#3. Vale of Tearsは、昔日の彼らを想起させるヘヴィ&ダウナーなプログレッシブ・メタルナンバー。いずれもヘヴィネスと霧散するようなアトモスフィアが壮大な見映えをもたらします。メロディーには悲壮さだけでなく美しさが必ず影に控えていて、序盤の数曲だけで本作が満足いく内容だという事がはっきり確信できました。

一転、#4. Guardian Angelでは天上の旋律に相応しいアルペジオギターと銀盤が神々しいバラードナンバー。歌詞からも密かに、悲劇を乗り越えやり直そうという意思を感じます。そして続く#5. Lamentが本作のハイライトナンバー。果たして誰に対するLament(哀悼)か疑問の余地は無いでしょう。”The end of the world ruined our home. Yet didn’t destroy our hope”と歌って送り出す、Riverside流のレクイエム。

#6. The Struggle for Survivalはベースラインが印象的な、隆起的でスリリングなロックチューン。他曲に比べると辛口だからこそアルバムの良いアクセントになっています。続く#7. River Down Belowは、#4. Guardian Angelを反転させたかのようなダウナーバラード。マリウスの嗚咽一歩手前のヴォーカルワークと泣きのギターのコンビネーションが涙を誘います。#8. Wastelandは西部劇風の調べをたたえた荒野のプログレッシブ・ロックナンバー。いつもより渋みが増したアルバムいちダンディーな楽曲です。

クライマックスを彩るのは#9. The Night Before。この曲だけは歌詞にも音楽にも明確に光が差し込んでいます。銀盤の優しいタッチと穏やかな歌で勇気をくれるヴォーカル。女神のように神聖で、母性溢れる曲です。この曲を聴いて、本作が「絶望的な」アルバムだという事はありえません。

今年最も期待していたバンドでしたが、世界中から集まった同じ期待に見事応えてくれました。今年の代表的なロックアルバムとして燦然と輝く、孤高のプログレッシブ・ロック/メタルアルバムです。同じロック好きなら是非チャレンジして欲しい。