Claude Fontaine “Claude Fontaine”

Country : USA

Release : 2019/4/26

Label : Innovative Leisure

Genre : Reggae / Bossa Nova

Sample : bandcamp

Tracklist : 

  1. Cry for Another
  2. Hot Tears
  3. Little Sister
  4. Love Street
  5. Play by Play
  6. Pretending He Was You
  7. I’ll Play The Fool  ★オススメ
  8. Strings of Your Guitar
  9. Footprints in the Sand
  10. Our Last Goodbye

Claude Fontaine、このフランス人風に名付けられたアメリカ人女性はロスで生まれ育ちながら、そこを「故郷」と呼ぶことに違和感を覚えていました。それが名前の所為か、あるいは他に理由があったのかは分かりません。そんな彼女がある日、イギリスはロンドンにてふらりと立ち寄ったレコードショップ。そこで彼女はレゲエやブラジル音楽という後に自らのルーツとなる音楽に出会います。それまで一度もまともに聴いたことのなかった音楽、それに一瞬にしてのめり込んだ彼女は新しく出来た「故郷」への深すぎる愛がゆえ、自分自身のレコードを作ろうと思い至ったのでした。

そしてあれよという間にデモ曲がレコード会社の目に留まり、ついでにダメ元で作ったのであろう、レジェンドミュージシャンを含む共演のウィッシュリストまでもが実現。ダブの始祖King Tubbyと共演経験のあるギタリストTony Chin、Miles DavisやChick Coreaのバンドにも参加したブラジリアンドラマーAirto Moreira、イギリスの伝説的レゲエバンドSteel PulseのベーシストRonnie McQueen、ブラジルのボサノヴァ&ポップ・レジェンドSergio MendesとコラボしたパーカッショニストGibi Dos Santosほか奇跡的な豪華布陣が結成され、レコードレーベルInnovative Leisureのサポートのもと、自らの名を冠したデビューLPが満を持してリリースされました。

本作の特筆すべき点は何より彼女自身の歌にあります。勿論レジェンドミュージシャン達のお膳立ても素晴らしいものですが、それ以上に彼女の歌が魅力的。魅惑的なウィスパーヴォイスがとめどなく官能をくすぐり、ぞくぞくとした快楽で満たされていきます。単に私がヤバい奴じゃないかと言われればそれまでですが、この癖になる感覚はあなたにも体験して欲しい。この歌は、魔性です。

また歌詞を見るに、愛について歌われていますが同時にそこはかとない悲しみ、虚しさといった感情が見え隠れします。それらが歌に流れ込み、えも言われぬ深い哀愁に満ちた作風に仕上がっています。その為か「ラナ・デル・レゲエ」と呼ばれることもあるらしい彼女。歌も、ソングライティングも別格の才能です。これほどのものを見せつけられれば、彼女の夢が叶ったのは「必然」だと信じる事も出来ます。

レゲエ色の強い前半、ボサノヴァなどブラジル音楽が顔を出すゆったりと優しい後半、いずれも非常に中毒的で高い完成度を誇っています。捨て曲?そんなものは当然ありません。中でも個人的なお気に入りは爽やかなアコギの旋律にアンニュイ&ポップな歌が乗る#7. I’ll Play The Fool。

レゲエやブラジル音楽に疎い私ですら一聴して魅せられた本作。ジャンル超越的な色気を備えた驚異のデビューアルバムを是非。